「赤旗」5月17日付
日本共産党の小池晃副委員長は15日放送のBSフジ番組「プライムニュース」に出演し、安倍晋三首相の私的諮問機関「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安保法制懇)が報告書で打ち出した憲法解釈変更による集団的自衛権の行使容認などについて、反町理、島田彩夏両キャスターの質問に答えました。
小池氏は、報告書が集団的自衛権行使の「要件」をつけたことについて、「まったく歯止めにならない。『政府が総合的に判断する』などとしているが、結局、時の政権の判断で集団的自衛権が行使できるようになる」と指摘。「海外での武力行使の最大の歯止めとなってきたのは、憲法9条だ。その歯止めを外して、いくら『限定』といっても、それはごまかしにすぎない」と強調しました。
報告書が、国連の集団安全保障措置・多国籍軍への参加について憲法上の制約はないと明記していることについて、「首相は(報告書の提出を受けた15日の)記者会見で、『武力行使を目的として湾岸戦争やイラク戦争での戦闘に参加することはない』と述べたが、後方支援に貢献すると言い、報告書が『武力行使の一体化論は役割を終えた』と言っていることまで否定していない。結局、海外での武力行使に進んでいくということだ」と指摘しました。
また、「グレーゾーン」事案への対処について小池氏は、「外交的解決を図るべきであり、同時に警察力・海上保安庁による対応が必要だ」と指摘しました。
番組の最後に小池氏は政策提言として、「平和的安全保障」というパネルを掲げました。
「平和的な力による安全保障にこそ力を注ぐべきだ。それは憲法9条をもつ日本の役割です」と強調。安倍首相が会見で、集団的自衛権の行使によって「抑止力が高まり平和が確固たるものになる」と述べたことに対し、「これまで集団的自衛権を行使しないという立場だったからこそ、米国の戦争で日本は武力を行使しなかった。首相の主張とは逆に、これが平和と安全を守るための役割を発揮してきた」と語りました。