「赤旗」2015年8月6日付
日本共産党の小池晃副委員長は4日放送のBS日テレ番組「深層NEWS」に野党議員と出演し、戦争法案をめぐる安倍政権の対応を批判しました。
番組側は、法案の最大のポイントとして「集団的自衛権の限定行使」を解説。安倍首相が、米イージス艦1隻だけが北朝鮮ミサイルで攻撃される想定を持ち出していることを紹介しました。
小池氏は、想定自体が「どう考えても現実的でない」と述べ、米国のイージス艦は84隻ある一方、日本には6隻しかなく、「米国が日本に助けを求める」という設定は「米国から失笑を買うもの」だと述べました。北朝鮮から米国への攻撃も、「そうなれば北朝鮮は一瞬にして消滅する。いくら無法な国家だからと言って、リアリティーがない」と述べ、今回の戦争法案では「現実の問題として日本が関与させられるのは中東で、アフガンやイラクだ」と語りました。
司会者は「中東まで引っ張られていくことになるか」と質問しました。小池氏は「そうなる」と述べ、日米両政府が4月に決めた日米軍事協力の指針(ガイドライン)を実行するための法整備が戦争法案だと指摘。「集団的自衛権を行使できるようになれば、アメリカから要求されるだけ要求され、実際に自衛隊員が戦闘地域まで行って危険にさらされる」と語りました。
安倍首相が「戦争を未然に防ぐ、抑止力を高める」と述べていることに対し、小池氏は「抑止力論の本質は、力を背景にして相手の意図・動機を変えようということだ」と指摘。「東アジアの安全保障環境は問題が多いが、軍事的な対抗力を強めれば軍事対軍事のエスカレーションを呼ぶ。冷静に考えるべきだ。抑止力論と決別すべきだ」と強調しました。
「野党の具体案」を問う視聴者の質問に、小池氏は「憲法違反で日本の安全に何ら役に立たない法案は、廃案が一番の対案だ。憲法9条に基づく平和外交で東アジアの安全保障を実現する対案を示していきたい」と表明しました。