「赤旗」2015年7月31日付
労働者派遣法改悪案の審議が30日、参院厚生労働委員会で始まり、日本共産党の小池晃議員は、財界・人材派遣業界と厚生労働省の癒着が極まっていると追及し、廃案にするよう求めました。
小池氏は、派遣会社でつくる日本人材派遣協会の専務理事が、2012年まで連続5代、厚労省キャリア官僚OBの天下りだと指摘。職業安定業務の民間委託など人材派遣業界の要求に応えて、6年間で100億円もの労働関係事業がパソナなど人材派遣業界に委託されたことを明らかにしました。
委託の際の随意契約が2009年度の4%から14年度には77%へと急増しており、「これでまったく癒着はないと胸をはっていえるのか」とただすと、塩崎恭久厚労相は、「随意契約でも企画書の提出を求めて審査している」としか答弁できませんでした。
小池氏は、製造業派遣企業でつくる「生産技能労務協会」の政治団体から与党議員や前厚労相に政治献金が渡っていると告発。派遣会社の役員が政府の労働政策審議会(労政審)に参加し、派遣業界の要求が改悪案に盛り込まれたことをあげ、「前厚労大臣が政治献金を受けた利害関係組織を労政審に異例な形で参加させ、要望がそのまま盛り込まれたのが、今回の法案だ」と批判しました。
塩崎氏は「法案は労政審の建議に沿って起案した」としか答えられず、小池氏は「派遣先も含めて派遣業界の、派遣業界による、派遣業界のための改悪としかいいようがない。廃案にすべきだ」と求めました。