「赤旗」2015年7月30日付
29日の参院安保特別委員会での、日本共産党小池晃議員の戦争法案総括的質疑を視聴した元陸上自衛隊員から、「留飲が下がった」との感想が寄せられています。
留飲下がる
元2等陸曹 末延隆成さん(53)
私は、北部方面隊第5旅団戦車大隊の補給小隊に所属していました。
海上自衛隊の内部資料や、「しんぶん赤旗」が入手した陸自教範による「兵站(へいたん)」の危険性を告発した記事を引用しての質問は、自衛隊にいたものとして実に留飲の下がるすばらしいものでした。
いずれも自分たちが感じてきた、安倍政権の安保法制案=戦争法案への不安と危険性をズバリ突いた、政権にとっては耳の痛い質問だったはずです。
米海兵隊の教本が明記している「兵站」が最も危険で敵の攻撃に「脆弱(ぜいじゃく)」であり、イラク戦争、アフガン戦争での戦死者の多くが燃料や水補給中に路肩爆弾などで犠牲になっているという指摘は説得力がありました。
自分が属した補給小隊の教範にも、「戦況の進展に応じて適時前方に推進して継続的かつ迅速な支援を行う」とあり、「赤旗」記事が告発したように、政府の言う「安全な場所」など絵空事なのです。
安倍首相、中谷防衛相が小池さんの質問にはぐらかしの答弁しかできない戦争法案は廃案にすべきです。
私も頑張る
元3等陸曹 日本共産党の茨城県土浦市議 井上圭一さん(53)
私は、陸上自衛隊霞ケ浦駐屯地に9年間勤務し、後方支援部隊に所属しました。安倍首相も中谷防衛相も、小池さんの質問にまともに答えませんでした。
戦闘部隊と兵站を担う後方支援部隊は、常に一体となって行動します。安倍首相や中谷防衛相がいうような、戦闘部隊と「一体化しない」後方支援部隊などありえません。
小池さんが米海兵隊の教本をもとに指摘したように、兵站が敵からの攻撃に「脆弱」で、「格好の攻撃目標」になるのは軍事的な常識です。
兵站は、攻撃を受けることを前提に、それでも戦闘部隊への補給を切らさないようにします。
だからこそ、陸上自衛隊でも、一つの戦闘部隊に必ず三つの後方支援部隊がついていき、一切の補給物資を3セット用意します。「予備」とさらに「その予備」が必要なのです。
こんなでたらめな戦争法案は、廃案しかありません。私も頑張ります。