日本共産党の小池晃政策委員長は26日のNHK番組「日曜討論」に出席し、安倍首相が建設計画の白紙見直しを表明した新国立競技場問題と参院で審議が始まる戦争法案について、与野党の政策責任者らと討論しました。
自民党の稲田朋美政調会長が、新国立競技場問題での首相の表明を「英断」と自賛し、「どこかで引き返す決断ができなかったのか検証する」とのべたのに対し、小池氏は「あまりに遅すぎる。英断といって胸を張るのは間違っていますよ。国民に謝罪すべきです」と指摘。「建築家に2年前から批判され、わが党も見直しを求めてきたのに、耳を貸さなかった責任が問われます」とのべました。
その上で、(1)開閉式屋根をやめて簡素で無駄のない計画にする(2)周辺の住環境の尊重と景観への配慮(3)建設費は国が責任を持つ―など五つの建設的提案を提示。「民意に反する政治は必ず行き詰まることが証明されたと思います。戦争法案、原発再稼働、沖縄新基地も全部撤回すべきです」と求めました。
戦争法案に関し稲田氏は「対案を出さずに批判するのは無責任」と野党側を攻撃しました。これに対し小池氏は「立憲主義の破壊、独裁の道に対し、対案を示さないからダメだという。そんな不遜な態度はない」と批判。「憲法を壊そうとしているときに、それはダメだというのは立派な対案です。憲法9条にもとづく外交をやるのは立派な対案じゃないですか」と反論しました。
首相が集団的自衛権行使を隣家の火災消火に例えていることに関し小池氏は「火事は消せばすむが、武力行使は反撃されます。消火は人の命を助けるが、戦闘行動は殺し殺されるわけで全く違います」と指摘。「国民の反対がいくら多くてもいずれ賛成するといって突き進もうとしている」と批判しました。