「赤旗」2015年6月22日付
国会会期末を24日に控え、焦点の戦争法案と労働者派遣法改悪案について与野党の政策責任者が21日、NHK「日曜討論」で討論しました。日本共産党から小池晃副委員長・政策委員長が出席し、「憲法違反の希代の悪法を強行するための会期延長は言語道断です。戦争法案廃案、労働者派遣法改悪も廃案、この一点で野党で力をあわせよう」と呼びかけました。
番組は戦争法案と憲法との関係を討論。自民党の稲田朋美氏、公明党の石井啓一氏らが合憲を主張したのに対し、小池氏は、集団的自衛権の行使のほか、武力行使の一体化の問題での国会論戦を紹介し、「今回の海外派兵の憲法上の根拠は総崩れになっている」と主張しました。
この問題で小池氏は、「アメリカが世界のどこであれ戦争をおこした場合に兵たん支援、後方支援する、これも憲法違反の指摘がある」と発言。小池氏は、「武器使用は武力行使と違う」と政府はいうが、両者に「国際法上の違いがない」こと、「(他国の武力行使と)一体化しなければ武力行使ではない」というのも「国際法上の概念ではないこと」を、政府は国会で認めたと述べました。小池氏のこれらの指摘に与党から反論がありませんでした。
集団的自衛権の問題で小池氏は、「他国が攻撃されたことで、その国の存立が脅かされた事例」をあげることは「困難だ」という岸田外相答弁を紹介し、「そもそもの立法事実がない以上、憲法違反は明白」と主張しました。
労働者派遣法改悪案の討論で小池氏は、違法派遣があれば、派遣先が労働者に直接雇用を申し込んだと「みなす」制度が10月から動くのは困ると派遣業界からいわれて、それをやめる法案を急いで通すという「派遣業界の方をむいた法案はとんでもない」と述べました。 (詳報)