日本共産党 書記局長参議院議員
小池 晃

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石破首相の商品券配布 内閣総辞職へ 追い詰めるとき

2025年03月19日

赤旗2025年3月19日付

 石破政権の“延命戦略”の破綻を示す事件の一つが、石破茂首相の商品券配布問題です。17日の参院予算委員会で、日本共産党は、石破首相の商品券配布問題でのいいわけを徹底的に批判し、他党がまともに論点としなかった原資の問題にもメスを入れ、退陣を迫っています。

 


写真

(写真)小池晃書記局長(右)に答弁する石破茂首相=17日、参院予算委

「単なる会食」というが どう見ても「政治活動」

 

 石破首相は「単なる会食で政治活動ではない」と強弁します。しかし、石破首相のいいわけがまったく通用しないことが明らかになっています。

 

 会食が行われたのは、個人の自宅ではなく、首相の公邸。林芳正官房長官と橘慶一郎、青木一彦両官房副長官が参加しています。会食で話された内容も、政治活動であることは明らかです。

 

 政治資金規正法は、政治団体を、「政治上の主義もしくは施策を推進し、支持し、または、これに反対すること、特定の公職の候補者を推薦すること」などを目的にする団体としています。

 

政治活動明らか

 

 会食に参加した大空幸星(こうき)議員は「(会食の場で)若い世代や現役世代にむけた政策を打ち出していくことが必要といったことを率直に(石破首相に)受け止めてもらった」と発言。山本大地議員は、会食で石破首相に「次は自分のところに来てください」と伝え、首相は「絶対、行くよ」と応じてくれたとの発言がテレビ番組で報じられています。それぞれ、「政治上の主義もしくは施策を推進し、支持し」、「特定の公職の候補者を推薦し、支持する」行為であることは明らかです。

 

 小池晃書記局長は、『逐条解説 政治資金規正法』が政治活動をきわめて広く、政策推進や特定候補者の支持にかかわる「直接間接の一切の行為」としていると指摘し、「政策について語り合っている。選挙について語りあっている。どう考えてもこれは政治活動だ」(17日、参院予算委員会)と追及しました。

 

議員会館で譲渡

 

 さらに、商品券は、石破首相の秘書が首相の指示で、議員会館の各議員の部屋で受け渡しました。

 

 国会法は「議員の職務の遂行の便に供するため、議員会館を設け、各議員に事務室を提供する」としています。議員会館の事務所は、議員の職務遂行の場です。議員会館での受け渡しは議員の職務ですから、「政治活動」にほかなりません。

 

 石破首相は「政治活動でない」として、領収書をとっていないと言います。

 

 しかし、実際には「政治活動」である以上、領収書もとらずに商品券の配布は典型的な裏金づくりそのもので、首相が先頭に立って、裏金づくりを進めていたことになります。

 

商品券の原資は何か 官房機密費の疑い浮上

 

 全部で150万円の商品券の原資は何か―。石破首相は自身の「ポケットマネー」から出したと主張しますが、その出所が内閣官房機密費であるとの疑いが浮上しています。

 

裁量で使い放題

 

 機密費には「政策推進費」「活動関係費」「調査情報対策費」と三つの類型があります。とりわけ「政策推進費」は、官房長官に資金が渡った時点で「支出終了」となる“渡しきり”の金です。官房長官の裁量で使用できる“闇ガネの中の闇ガネ”です。

 

 小池氏は、石破政権では「政策推進費」の支出が同政権前の3人の官房長官の在任中を上回る勢いであることを指摘。2024年10月~25年1月には3億9930万円と機密費全体の96・9%を占めていることを告発し、「ほぼ機密費イコール政策推進費だ」と批判しました。

 

 歴代自民党政権のもと、機密費は使途が公開されないことをいいことに、制限なしで使われてきたのが実態です。過去には、機密費で商品券や香典、背広の仕立券などが国会議員に配られたことが報じられてきました。石破首相が機密費で商品券を購入したのであれば、公金の私的流用です。

 

首相否定できず

 

 また、機密費を、法案通過に際しての野党対策、外遊する議員への餞別(せんべつ)、政治評論家に配るなどに使ったという官房長官経験者の数々の証言があります。小池氏は、故・野中広務氏が官房長官時代、首相に毎月1000万円を渡していたと証言していたことを示し、「首相のポケットに入った機密費が商品券の原資になったと言われても否定のしようがない」と迫りました。

 

 石破首相は結局、「使っていないと証明しろと言われても極めて難しい」と述べ、機密費の使用を否定できませんでした。

 

 機密費が政策買収や商品券などの私的流用に使われていないというならば、使用の実態を国会と国民に公開し、党略的・私的流用をしないことを約束するべきです。小池氏は「自民党派閥の裏金問題が招いた事態を官邸の闇ガネで乗り切るようなことは許されない」と厳しく批判し、「首相の資格はない」と断じました。

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