日本共産党 書記局長参議院議員
小池 晃

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商品券代原資は機密費か 小池氏追及 首相の資格ない 参院予算委

2025年03月18日

赤旗2025年3月17日付

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(写真)質問する小池晃書記局長=17日、参院予算委

 日本共産党の小池晃書記局長は17日の参院予算委員会で、石破茂首相が自民党衆院議員と会食し1人10万円分の商品券を配布した問題を巡る首相の「政治活動ではない」との弁解の欺瞞(ぎまん)を暴き、商品券代に内閣官房機密費を使用したのではないかとただしました。(論戦ハイライト)

 

 政治資金規正法の逐条解説は「政治活動」を▽政治上の主義もしくは施策を推進し、支持すること▽公職の候補者を推薦すること―などを目的として行う「直接間接の一切の行為」だと広く規定しています。

 

 小池氏は、会食で石破首相に政策を提案し「率直に受け止めてもらった」という出席議員の話や、別の出席議員の「自分のところ(選挙区)へ来て」との呼びかけに首相が「絶対行く」と答えたことが報道されていると指摘し「紛れもなく政治活動だ」と追及。石破首相は報じられている内容は事実だと認めました。

 

 小池氏は「これまでの説明と違う」「政治活動をやっている」「これを『単なる会食で政治活動ではない』と言ったら何でも許されてしまう。政治資金規正法違反でアウトだ」と断じました。

 

 さらに、機密費のうち、官房長官への渡し切り金の「政策推進費」の支出が石破政権前の3人の官房長官の在任中を上回る勢いで、2024年10月~25年1月には3億9930万円と機密費全体の96・9%を占め、24年10月8日~25年1月5日には、2億9000万円、1日当たり322万に上ると告発しました。

 

 機密費は使途が限定されておらず領収書も不要、使途は非公開です。

 

 小池氏は官房長官時代に、首相に毎月1000万円を渡していたとする故野中広務氏の証言も示し、「首相のポケットに入った機密費が商品券の原資になったのではないか」と追及。「使っていないと証明しろと言われても極めて難しい」としながら機密費の使用を否定できなかった石破首相に対し、「あなたにはいよいよ首相の資格はない」と厳しく批判しました。

速記録を読む

○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 私は昨日、大船渡に参りまして、深刻な被害を受けた三陸町綾里地区まで行きました。東日本大震災津波の被災地に大規模な山林火災が襲って、渕上清市長からは、家屋焼失した方はもちろんですが、被災者の範囲を広く捉えて、これまでにない支援が必要だということを聞きました。漁協の組合長さんからは、特産のワカメの収穫時期にぶつかって、定置網の焼失は四億円を超える被害になっていると、漁業を続ける希望が持てる支援をと強く訴えられました。政府には、被災者生活再建支援金、最大三百万円、大幅に引き上げるなど、かつてない規模での支援を求めたいと思います。
 質問に入ります。
 総理は、十万円の商品券をお土産にした三月三日の公邸での会食について、これは単なる会食で政治活動ではないと言いますが、政治資金規正法における政治活動というのは何ですか。
○内閣総理大臣(石破茂君) 政治資金規正法に政治活動についての定義規定はございません。
 一般的にはどのように考えておられるか、いられるかというと、政治上の主義若しくは施策を推進し、支持し、若しくはこれに反対し、又は公職の候補者を推薦し、支持し、若しくはこれに反対することを目的として行う直接間接の一切の行為をいうと、これが大体通説的なコメンタールの見解だと承知をいたしております。
○小池晃君 総理が今月三日、当選一回の自民党議員らと会食した際の様子、その日のニュースで報じられています。今もFNNプライムオンラインのホームページに掲載されています。取材に応じた大空幸星議員によりますと、石破首相は忌憚なく意見を聞かせてほしいと語りかけ、大空氏は、若い世代や働いている現役世代に向けた政策をしっかりと打ち出していくことが必要といったことを率直に受け止めてもらったと述べているんですね。まさに政策推進し、支持する行為ですよ、これは。また、山本大地議員は、自分の選挙区には総理は応援に来なかったため、次は自分のところに来てくださいと伝えたところ、総理は絶対行くよと応じたという。まさに特定の候補者を推薦し、支持する行為ですよ、これは。
 そもそも公邸で官房長官、副長官がそろって話をしているんですから、このこと自体で政治活動ですよ。しかも、そこで話し合われたのは、御苦労さま、ありがとう、何かおいしいものでも食べてねというようなものではないではないですか。公邸で政策や選挙について話し合った、紛れもない政治活動じゃないですか。
○内閣総理大臣(石破茂君) 何で公邸を使うかと申しますとですね、(発言する者あり)いやいや、公邸を使ったのがけしからぬという御指摘ですから、申し上げておきます。
 これ、一般の本当に居酒屋さんでも使いたいです。ただ、そうしますと、本当に周りの方にどれだけの御迷惑が掛かるか、警備にどれだけの負担が掛かるかということでございます。そうしますと、官邸でやっているわけではございませんので、公邸でやるというのはそういう意味でございます。
 そして、政治的にどうなんだというお話でございます。先ほどお二人の議員の名前を挙げておっしゃいました。それは、政策というものをきちんと分かっていただけるように、分かりやすく話をしなければいけませんねということを申し上げまして、特に個別の政策についてお話をしたわけではございません。そしてまた、山本議員の地域の応援につきましては、それは、誰から言われても選挙のお手伝いは行きますよと、一般論を申し上げたものでございます。
○小池晃君 いや、今までの説明と違うじゃないですか。政策のことの議論じゃない、選挙の応援じゃない。やってんですよ、これ、はっきり言ってね。
 総理が幾ら政治活動ではないと言っても、少なくとも、総理と向かい合ってですよ、政策やあるいは選挙の話をしているわけでしょう。一回生議員にとってみれば、これ以上の政治活動はないでしょう。これを政治活動ではないというのは、私は余りにも詭弁だと思いますよ。
 でね、直接間接の一切の行為となっているわけですよ、コメンタールでは。政策を推進し、あるいは選挙で応援する、直接間接の一切の行為ですよ。だとすれば、総理が行った行為は紛れもなくこれ政治活動ではないか。
 あのね、この政治資金規正法というのは、政治活動というのは極めて広く捉えているんですよ。広く捉えて、そこに対してお金を入れることはやめようと、そういう立法の趣旨なんですよ。だから、極めて広く、直接間接の一切の行為まで規定をしているわけですよ。今のお話は、今認められたけれども、そういう議論したんですね。ということは、これ明らかに総理、政治活動ですよ。
○内閣総理大臣(石破茂君) それは、特定の政治的な政策、信条、そういうもの。つまり、選挙というものは、あるいは日頃の活動というものは、とにかく政策というものをきちんと分かりやすく述べていかなければならないし、それは一件一件個別に選挙法の範囲内でそういう政策を述べて歩き、五人、十人の会合で丁寧に政策の説明をしなきゃいけませんねということも政治活動だと言われますと、それはもういかにして公約というもの、御党と我が党は政策全く違いますが、そこにおいて我が党の政策というもの、これをどうやって御理解をいただくか、あるいはすべからくどの党もそうだと思います。御党も日常活動、だからこそ丁寧にやっておられるものだというふうに承知をいたしております。
○小池晃君 政治家の活動というのは、ほぼ政治活動なんですよ。しかも、これはっきり、別に世間話したわけでも何でもないんですよ。趣味の話したわけでもないんですよ。政策について語り合っているんですよ。選挙について語り合っているんですよ。どう考えたってこれは政治活動じゃないですか。
 これ、単なる会食で、政治活動ではない。政策の議論をしたけれども、アドバイスしただけなので政治活動ではない。こんなこと言い出したら何でも許されますよ。総理のやったことは、これは私、社会通念上の問題にとどまらない、明らかに政治資金規正法違反だ、アウトだということを申し上げておきたいというふうに思うんです。
 しかも十万円でしょう。総理は、ハンカチでも買ってねと、お菓子でも買ってねと。十万円のハンカチありますか。汗拭くこともできないじゃないですか。こんなでたらめな話ない。だからみんな怒っているんですよ。
 十万円の商品券は土産だと言いながら、これ、会食の場で会食が終わって渡すのをお土産というんですよ。ところが、当日の会食前に石破さんの秘書が議員会館の各議員の事務所に届けたというんでしょう。議員の秘書が議員事務所にお金を届けた、商品券届けたんだから、これ外形的には政治資金の受渡しですよ。しかも領収書求めていないわけですよ。
 総理、商品券というのは、これは歴代首相の慣例だという証言ありました。これ、官邸では恒例になっていたんじゃないですか。システム化されていたんじゃないですか。だからこういったことが平然と行われたんじゃないですか。いかがですか。
○内閣総理大臣(石破茂君) おまえは世間話しかしちゃいかぬのだというお話でございますが、政治上の主義や施策を推進したり、特定の公職の候補者を推薦したりということは一切いたしておりません。会食の場で、本当に大変だったねと、自分も一回目の選挙のときは本当つらかった、苦しかった、そういうような経験、いかにどうすればそういうようなことを乗り越えて政治を続けていくかというお話をすることはございました。
 しかし、じゃ、こういう政策を我が党として推進せねばならぬとか、誰々を当選させねばならぬとか、そんなお話は一切いたしておりませんので、政治活動として行ったものではないということを申し上げておる次第でございます。
○小池晃君 大空幸星さんは、若い世代や働いている現役世代に向けた政策をしっかりと打ち出していこうと言ったらば率直に受け止めてもらったと。まさに、こういう政策を打ち出そうという議論をしているじゃないですか。選挙で応援に行く、絶対に行くよと、そこまで言っているんですよ。だから、こういったことはどう考えたって、それは大変苦労したねと、大変だねと、そういう話じゃないんですよ、これは。明らかに政策の中身まで踏み込んでやっている。これを政治活動ではないと言うのは、詭弁中の詭弁ですよ、これは。これ、国民が絶対にこんな説明は納得しないというふうに申し上げておきたいというふうに思います。
 一年生議員がこれ返却したのも、結局やましいお金だと考えたからでしょう。まさに、総理による裏金配りなんですよ、これは。これは極めて重大だと。
 それから、総理はポケットマネーから出したとおっしゃるんですが、その出所はどこなのか、出どころはどこなのか。官房機密費、三つの類型があります。そのうちの一つが政策推進費なんですね。政策推進費というのは、官房長官に渡した時点で支出完了となる渡し切りのお金です。(資料提示資料①
 この政策推進費が官房機密費の中でどれだけの割合を占めるのか、昨年二月に我が党の塩川衆議院議員が衆議院内閣委員会で質問しています。林官房長官、前任の歴代三人の官房長官で、菅さんが九一%、加藤さんは九五%、松野さん九六%だと、政策推進費に使ったのがね、機密費の中で。
 この三人もひどいと思いますけど、石破政権の支出はそれを上回るんですね。しんぶん赤旗が情報公開で入手した官房機密費の支出関連文書によりますと、昨年十月から今年一月までの政策推進費、まあ要するにもうつかみ金ですよ、何にでも使える。これ、三億九千九百三十万円です。機密費全体の九六・九%。ほぼ機密費イコール政策推進費だと言っていい。
 それから、受け払い簿があると思います。これは、情報公開で出された受け払い簿の一つです。(資料②)今年一月六日のものなんですね。十二月二日に官房長官に支払われた九千六百万円、これが一月六日には金庫がゼロになっているわけです。全部使っているわけです。さらに、新たに一月六日に一億九百万円が支払われているんです。これ毎月繰り返されているんですね。
 官房長官、この巨額の政策推進費は何に使っているんですか。
○国務大臣(林芳正君) お答えいたします。
 今御指摘のありました内閣官房報償費の一類型でございます政策推進費ですが、施策の円滑かつ効果的な推進のため、内閣官房長官としての高度な政策的判断によりまして機動的に使用することが必要な経費であり、内閣官房長官が直接相手方に支払うものとして取り扱われております。
 政策推進費を含めて、内閣官房報償費は、国の機密保持上、その使途などを明らかにすることが適当でない性格の経費として使用されてきておりまして、その個別具体的な使途に関するお尋ねについてはお答えを差し控えております。
 いずれにいたしましても、内閣官房報償費は、取扱責任者である官房長官の判断と責任の下に厳正で効果的な執行を行っているところでございまして、適正な執行を徹底してまいりたいと考えております。
○小池晃君 要するに、何にでも使えるお金だということなんですよ。それは説明もしなくていいということなんですよ。
 十月八日から今年一月五日までに支出されたのは二億九千万円、実に一日当たり三百二十二万円です。毎日毎日、三百二十二万円、官房長官のポケットに入るんですよ。何に使ってもいいんですよ、これ。説明もしなくていい。領収書も要らない。
 二〇一〇年のテレビ番組で、亡くなられた野中広務さんは、官房長官時代に総理の部屋に月一千万円ずつ持っていったと証言しています。
 総理、この商品券、ポケットマネーで買ったと言うけど、総理のポケットに入った機密費が商品券の原資になったと言われても否定のしようがないと思いますが、いかがですか。
○内閣総理大臣(石破茂君) 別にそのポケットに入ったからポケットマネーというわけではなくて、それは、先生、そのないことを証明しろと言われてもそれは極めて難しい。しかしながら、そこにおいてポケットマネーと申し上げておるのは、そういうものから出したということでございまして、そういうような官房機密費ですか、先生がおっしゃいますようなそういうものを使ったわけではございません。ただ、それを証明してみせろと言われますと、それは極めて難しいことで。であるからして、証明できないから黒なのだという論法をお使いになるのだとするならば、それは委員の御自由でございますが、そのようなことはございません。
○小池晃君 証明できないということをはっきり認めました。それは私が証明する問題じゃないですよ、これだけ疑惑が掛かっているんだから。だったら、きちっと、そういうことを言うんだったらば、機密費使っていないというのは、機密費を議員や候補者には渡さないんだというようなルールでも作ったらどうですか。それも何もないんですよ。結局、これは商品券に使わなかったとは証明なんかできない。
 昨日の朝日新聞の報道では、総理は一回生議員との会合で、この参院選は勝たないといけないと意気込んで、懇談会の終盤、新人議員の一人が私たちは石破チルドレンですと声を上げて、全員石破派だと。まさに政治集会ですよ、これは。自民党派閥の裏金問題が招いたこの事態を官邸の闇金で乗り切るようなことは許されません。
 石破さん、あなたにはいよいよ総理の資格はないということを申し上げたい。そして、これは石破さんだけの問題ではない。歴代自民党政権全体がやってきたんではないか、慣例だったということまで言われているわけです。いよいよ、こういう事態になって、自民党政治を終わらせなきゃいけない。そして、この根源にある政治と金の問題、この再発防止のためには企業・団体献金の全面禁止が必要であるということを申し上げたいと思います。
 総理の行った行為は、これは単なる道義的問題ではないということ、そしてこれは法律違反の疑いが極めて高いということが今日の議論で浮き彫りになったと私は思いますし、やはり機密費を使っていないという証明は全くできないということをお認めになりました。この問題で徹底的な追及を今後もやっていくという決意を申し上げて、質問を終わります。

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