赤旗2025年3月1日付
![]() (写真)要請書を手渡す井上共同代表(右から3人目)。左端は小池書記局長=28日、厚労省 |
戦時中の1942年、強制動員された朝鮮人を含む183人が犠牲になった山口県宇部市の長生(ちょうせい)炭鉱水没事故について、遺骨収容など追悼事業を進めている「長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会(刻む会)」は28日、遺骨収容に関して厚生労働省と外務省に要請しました。要請では、遺骨収容のための予算面・技術面での支援、日韓国交正常化60周年の共同事業としての遺骨収容の実施、政務三役の現地視察などを求めました。
参院議員会館で開かれた報告会で井上洋子共同代表は、厚労省と外務省の対応について、「安全性に懸念がある」などを理由として協力に後ろ向きの姿勢に終始したと報告。今後、空気にさらされた坑口の木材が劣化することが危惧され、民間でできることには限界があり、「危険があるからこそ国として支援をしてほしい」と訴えました。一方で、韓国側から国交正常化60周年の共同事業に長生炭鉱を位置づけたいという動きがあることを明らかにし、「日本側がこれを無視するのか」と指摘しました。
日本共産党の小池晃書記局長は、「安全性が懸念されるというが、であればなおのこと安全性を確保するのが国の責任だ」と指摘。「政治が決断し、解決に向けて頑張るときだ」と述べました。
3月中旬にはピーヤ(排気・排水塔)内の障害物撤去作業、4月には日韓のダイバーが参加しての共同潜水調査と、薬剤を使用して坑道内の透明度を高め安全性を確保する作業を予定しています。
申し入れと報告会には立民、社民の各党議員も出席しました。