日本共産党 書記局長参議院議員
小池 晃

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石破政権に対決・対案 小池書記局長の代表質問 参院本会議

2024年12月20日

赤旗2024年12月5日付

 4日の参院本会議の代表質問で日本共産党の小池晃書記局長は、焦点となっている課題で国民の怒りや願いに背を向ける石破茂首相の姿勢を批判し、くらしと平和を守り抜く対案を示して実現を迫りました。


裏金

真相解明 総裁の責任

写真

(写真)代表質問に立つ小池晃書記局長=4日、参院本会議

 小池氏は、総選挙で自民党本部が裏金非公認候補の党支部に公認候補と同額の2千万円を支給したのは「国民をあざむく行為だ」と批判。裏金づくりは組織的な犯罪行為だとして全容解明が必要だと強調しました。

 有罪判決が確定した安倍派の会計責任者はパーティー収入の還流再開は「幹部の協議で決めた」と証言しています。小池氏は、「西村康稔議員、世耕弘成議員らは協議に参加しながら真相を明らかにしていない」と指摘。偽証罪が問われる証人喚問を行うよう指示すべきだと迫りました。

 27人の裏金議員が今になって参院政治倫理審査会への出席を希望していることについては「政倫審は『駆け込み寺』ではない」と指摘。総裁として27人に対し、真実を語ること、審査を全面公開とすることを強く求めるよう要求しました。

 石破首相は、証人喚問は国会が判断するものであり、政倫審の開催方法も裏金議員の意向を尊重して決定されると述べ、党代表としての自身の責任に言及しませんでした。

 小池氏は「個人献金も企業・団体献金も違いはない」という首相の主張に対して、「企業には個人と比べものにならない資金力があり、参政権を持たない企業が多額の資金で政策をゆがめるのは、国民の参政権の侵害だ」と強調。「金権腐敗政治の原因である企業・団体献金の根を絶たずに政治への信頼を回復できると考えているのか」と批判しました。

 石破首相は、1970年の最高裁判決を引用し、企業・団体献金を正当化しました。

経済・社会保障

くらし支える政策に

 小池氏は「アベノミクス」の「異次元の金融緩和」による異常円安の弊害として「物価高騰を招いて国民の実質所得を低下させ、原材料費の値上げで中小・下請け企業の倒産を急増させた」と指摘し、「くらしを支える経済政策に転換すべき」だと迫りました。石破首相は、岸田前内閣の経済政策を引き継ぐ考えを示しました。

 小池氏は、実質賃金の低下が続く一方、大企業の内部留保が積み上がり、経済に還流していないと指摘。最低賃金の大幅な引き上げや、中小事業者を対象に一時金を支給する直接支援を行った徳島県の事例をあげ、「国としても社会保険料負担の軽減などの直接支援に踏み切るべきだ」と求めました。石破首相は「慎重な検討が必要だ」と拒否しました。

 小池氏は「地方自治体で会計年度任用職員など非正規職員が70万人を超え、低賃金と年度末での雇い止めなど不安定な働き方を強いられている」と指摘。雇い止めの禁止や正規職員への転換の促進など、会計年度任用職員制度の抜本的な見直しを求めました。石破首相は「処遇の改善に取り組んできた」などと開き直りました。

 医療・介護職場の賃上げについて、小池氏は「訪問介護は、国の報酬引き下げによって事業所の倒産・撤退が相次ぐ事態だ」とし、訪問介護の基本報酬を元に戻すことをはじめ、国の責任で医療・介護労働者の賃上げを緊急に促進するよう要求。石破首相は「訪問介護については課題がある」と認めました。

 小池氏は、大企業や富裕層を優遇してきた税制全体のゆがみを正すとし、消費税の減税とインボイスの撤廃を主張。「国民の前に立ちふさがる壁は103万円だけではない」と強調し、「生計費非課税、応能負担の原則に立った税制の抜本的な改革が必要だ」と主張しました。石破首相は、消費税の減税やインボイスの撤廃には背を向けました。

 小池氏は社会保障制度にかかわって二つの緊急課題を質問。2日に新規発行が停止された健康保険証について、9月の石破氏の「併用」発言を引用し、「従来の保険証も併用できるようにすべきだ」と主張しました。石破首相は「これまでどおりの保険診療が受けられることも丁寧に周知する」と述べるにとどまりました。

 小池氏はさらに、財務省が要求する生活保護基準の引き下げについて「言語道断」と批判し、抜本的な引き上げを迫りました。石破首相は「社会経済情勢等の動向を踏まえ、必要な対応を行う」と答えました。

沖縄

オスプレイ撤去せよ

 小池氏は、沖縄の辺野古新基地建設をめぐり、石破氏が自民党国会議員を辺野古「容認」へ屈服させた「平成の琉球処分」を振り返り「十分理解を得て決めたかというとそうではなかった」と謝罪しているのに、所信表明演説で辺野古推進を断言したことについて「首相のわびは言葉だけだったのか」と批判。超軟弱地盤により難工事が予想される新基地建設計画は完全に破たんしていると強調しました。

 日本配備の米軍オスプレイは3機が墜落し、民間空港への緊急着陸も日常茶飯事だと批判。10月に陸上自衛隊オスプレイが沖縄県与那国駐屯地でエンジン出力スイッチの押し忘れが原因で地面と接触し損傷した事故に関し、米海兵隊などは同スイッチの使用を「推奨しない」としていると指摘し、「スイッチを押しても押さなくても事故を起こす、まさに欠陥機だ」と強調しました。その上でオスプレイ全面撤去、辺野古新基地建設中止を迫りました。

 長射程ミサイル配備などの大軍拡はアジアに新たな緊張をもたらし、国民の暮らしも押しつぶすとして撤回を要求。日米同盟絶対で米国言いなりの政治を根本から転換し、米中を含むすべての関係諸国を包摂し、憲法9条を生かした平和の枠組みの発展に力を尽くすべきだと求めました。

 石破首相は辺野古新基地に固執し、「オスプレイの安全性は確認している」と撤去を拒否しました。

焦点の課題を追及

能登支援強化を

 小池氏は、能登半島地震と豪雨の二重災害について、「災害関連死」が地震などによる直接死を上回る247人にのぼる中、「痛ましい事態に至った原因をどう捉えているのか」と追及。災害公営住宅の建設や、医療・介護基盤の再建など、国の支援の抜本的強化を求めました。

気候危機打開を

 原発について、石破首相が自民党総裁選で「ゼロに近づける努力を最大限していく」と述べたにもかかわらず「最大限の利活用」と手のひらを返したと批判。気候危機の進行は人類の生存さえ脅かしているのに、日本がG7(主要7カ国)で唯一、石炭火力の撤退期限を示していないとして、「石炭火力から早期に脱却し、2035年までに温室効果ガスを13年度比で75~80%削減する目標を掲げるべきだ」と迫りました。

 石破首相は、「原発の利活用も必要」と強弁。温室効果ガスの削減目標にも具体的にはふれませんでした。

婚姻の平等を

 小池氏は、同性同士の結婚を認めないことは憲法に違反するとした東京高裁判決にふれ、性的指向が同性だからとの理由で「家族になれず、相続権や配偶者控除なども認められない。愛する人の最期にさえ立ち会えなかった同性パートナーもいる」と指摘。「個人の尊厳、婚姻の自由の侵害であり、法の下の平等に反する」と述べました。

 石破首相は、確定前の判決だとして「判断を注視する」と述べるにとどめました。

ガザ即時停戦を

 さらに小池氏は、イスラエルが軍事侵攻を続けるパレスチナ・ガザでの即時停戦について「待ったなしだ」と強調。国際刑事裁判所(ICC)がイスラエルのネタニヤフ首相に対し、戦争犯罪や人道への罪の容疑で逮捕状を出したことにふれ、「日本も逮捕義務を果たすと宣言すべきだ」と求めました。

 石破首相は、ネタニヤフ首相の訪日予定はないとして「仮定の質問に答えることは差し控える」と背を向けました。

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