赤旗2024年12月6日付
農民運動全国連合会(農民連)は5日、財務相の諮問機関である財政制度等審議会がまとめた2025年度予算への建議に対する抗議の申し入れを、財務省で行いました。長谷川敏郎会長は「荒廃農地をさらに広げる農林水産予算の圧縮は許されない」と訴え。日本共産党の小池晃書記局長が同席しました。
建議は、農業者が116万人から今後20年間で30万人まで減るとの試算に言及しながら、農水予算の増額は農業の振興につながらないとし、大規模化などにより「日本の農業を自立した産業へと『構造転換』」することが必要だとしています。
また、「輸入可能なものは輸入し、ほかの課題に財政余力を振り向けるという視点も重要」だと述べています。
長谷川会長は「国民は食料自給率の向上を望んでいることが先の総選挙でも示された。現にウクライナ戦争で小麦の値段が上がったが、輸入が止まったときはどうするのか」と批判しました。
笹渡義夫副会長は、地域を支えているのは小規模・家族農家であり、この建議はその存在を否定するものだと指摘。1980年比で21年の農水予算は米国で7・5倍、欧州連合で4・7倍になっていることを示し「自国の食料は国内でまかなうのが世界の主流だ。日本だけ逆行している」と訴えました。
小池氏は「軍事費確保のために農水予算を切り捨てるのではなく、暮らしを守る予算にするべきだ」と語りました。
担当者は「今の日本の財政状況は厳しい」と、自給率向上に背を向けました。