赤旗2024年12月5日付
日本共産党の小池晃書記局長は4日、参院本会議の代表質問で、1942年に山口県宇部市の長生炭鉱で起きた水没事故をめぐり、犠牲者に朝鮮半島から強制動員された136人も含まれているとして、遺骨の発掘調査を始めるよう政府に求めました。
小池氏は、戦時中の民間徴用者の遺骨返還について、2004年の日韓首脳会談で、当時の小泉純一郎首相が「何ができるか真剣に検討する」と応じた一方、政府は、長生炭鉱の遺骨の埋没位置は不明のため、発掘は困難だと答弁してきたことをあげました。
市民団体が募金を集め、炭鉱の入り口を掘り出し、10月にはダイバーが坑道内の潜水調査を実施したと述べ、「82年もの間、冷たい海底に眠る遺骨を可能な限り速やかに、遺族のもとに届け、尊厳の回復をはかるべきだ」と求めました。
石破茂首相は、「現時点では遺骨発掘を実施することは困難」と答弁。一方、国内に存在する旧朝鮮半島出身労働者の遺骨について、遺族が返還を希望する場合は「可能な限り返還するのが望ましい」として、「引き続き、人道的観点から対応を検討する」と述べました。