赤旗2024年11月16日付
日本共産党の小池晃書記局長は14日夜、BS―TBS番組「報道1930」で、政治資金規正法の再改正や「年収の壁」などについて各党議員らと討論しました。
小池氏は、総選挙を受け与党の自民、公明両党が衆院で少数となった国会で「新しい政治プロセスが始まった」と指摘。「プロセスを前に進めるのか、妨害するのかが、全ての政党に問われる」として、国民の目が重要だと述べました。
コメンテーターの林尚行朝日新聞ゼネラルエディター補佐も、「新しい政治プロセス」に言及し、与野党にとって課題だと指摘。自民党の井上信治政調会長代理も「新しいプロセスはつくっていかなければならない」と語りました。
番組では、裏金事件をうけ、自民党の政治改革本部の初会合(12日)で▽政策活動費の廃止▽旧文通費の使途公開・残金の返還▽政治資金をチェックする第三者機関の設置―の3点が話し合われたことが紹介されました。
小池氏は、石破茂首相は政策活動費の廃止を明言せず、「廃止も含めて白紙的な議論を」「プライバシーや秘密の保護など公開困難な部分がある」などと述べ、「既に抜け道を残そうとしている」と批判しました。
自民党が検討している裏金の国庫への返納をめぐって、小池氏は、「裏金づくりは自民党の組織的犯罪であり、返納して済む話ではない」と主張。元凶である企業・団体献金を禁止し、「政治資金の入り口で規制しなければ、また同じことが起こる」と指摘しました。
立憲民主党の長妻昭代表代行も「本丸は企業・団体献金の禁止だ」と強調。井上氏は、「何でも禁止するというよりも、透明化が必要だ」などとして、企業・団体献金の禁止に踏み込む考えがないことをあらわにしました。
小池氏は、裏金事件の真相解明が全く進んでいないと述べ、「徹底解明をしなければ、政治資金規正法をどう改正するのか、方向性も出てこない」と批判しました。
番組では、所得税がかかる「103万円」の課税最低限の引き上げと、社会保険料負担が発生する「106万円」「130万円」の壁についても議論。小池氏は、最低限必要な生活費には課税しないのが原則であり、課税最低限の引き上げは必要だとした上で、財源を含め大企業・大金持ちへの優遇をただすなど税制全体で考えるべきだと主張。同時に、学生がアルバイトで103万円も収入を得なければいけないことが問題だと強調しました。
小池氏は、106万円と130万円の壁については、手取りの減収分への手当てが重要だと指摘。中小零細企業の社会保険料の負担軽減を主張しました。
さらに、「『130万円の壁』の抜本的解決には最低保障年金の創設が必要だ」と提起し、「より大事なのは賃上げだ」と強調。「社会保険料を払っても手取りが減ることのないよう、最低賃金を1500円、2000円としていくため、中小企業への直接支援をする議論が大事だ」と主張しました。