赤旗2024年10月9日付
安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合(市民連合)は7日、国会内で日本共産党と懇談し、次期総選挙に向けた政策要請書を提出しました。日本共産党からは、田村智子委員長と小池晃書記局長、宮本徹衆院議員が対応し、総選挙のたたかい方と党の方針を説明しました。
市民連合の佐々木寛運営委員・新潟国際情報大学教授は、「100年を超える歴史の中で、共産党は一貫して戦争に反対してきた。この戦争国家への道を止めるべく、市民と野党の共闘に、今一度力を貸していただきたい」と訴え。(1)憲法も国民生活も無視する軍拡は許さない(2)市民の生活を守る経済政策(3)ジェンダー平等・人権保障の実現(4)気候変動対策強化、エネルギー転換の推進(5)立憲主義に基づく公正で開かれた政治―の5項目の要請書の政策を示し、本当に政治を変えるという点では絶好のチャンスが来ているとして、小選挙区での野党候補の可能な限りの一本化を提案しました。
田村氏は、要請書の5項目について、「実現のために全力を尽くしたい」と発言した上で、次期総選挙での市民と野党の共闘への考え方を説明。この間の共闘の経緯に触れ、「安保法制(戦争法)の廃止と立憲主義の回復を原点として、この大きな旗にいろんな要求が集まり、基本政策を豊かにしてきた」と指摘。次期総選挙では、「共産党の躍進が、共闘の発展にどうしても必要なことだ」と訴え、「それぞれの政党が自民党を追い詰めるという役割を果たす中で、政治の中身を変える展望を開くことに挑戦したい」と表明しました。
小池氏は、立憲民主党の野田佳彦代表が、安保法制の廃止について「すぐにはできない」「検証が必要」としていることを挙げ、「安保法制の廃止は、市民と野党の共闘の原点であり、大軍拡を止めるためにも緊急課題だ」と指摘。「共闘の原点が揺らぐ状態が以前から続いてきたが、立憲民主党の代表選の中で、それが浮き彫りになった」と語りました。
その上で、「今度の選挙では、自民党政治に正面から対決し、ゆがみを正す共産党の議席を伸ばすことを最優先に取り組む。そのことが、市民と野党の共闘の新しい発展の流れをつくることになる」と表明しました。
そして、小選挙区には、党候補者を最大限立ててたたかうが、「沖縄の4選挙区は、オール沖縄で一致団結して勝利をめざす」と強調。そのほか、10日から参院の補欠選挙が始まる岩手など、いくつかの都県でも、「すでに、これまでの経緯を踏まえた特別の対応をとっている」として、「議論を重ねてきた結果が今の状態だ」と理解を求めました。