「赤旗」2015年5月16日付
日本弁護士連合会(日弁連)・日本弁護士政治連盟(弁政連)と日本共産党との懇談会が15日、東京都内で開かれました。前日に安倍政権が閣議決定した戦争法案を中心に意見を交換し、法案に反対するとともに、憲法の恒久平和主義、立憲主義を守る立場から双方が語り合いました。
懇談会は弁政連が主催したもの。日弁連から村越進会長、副会長13氏、事務総長らがそろい、日本共産党から志位和夫委員長、山下芳生書記局長、市田忠義、小池晃両副委員長をはじめ衆参国会議員10氏が出席しました。
弁政連の山岸憲司理事長、日弁連の村越会長がそれぞれあいさつ。村越会長は、集団的自衛権行使に反対する日弁連の活動を紹介しながら、「強制加入団体である日弁連が政治的なことをやっていいのかという批判があるのは事実だが、人権擁護を使命とする法律家団体としての責務、憲法の恒久平和主義、立憲主義を守る法律家の立場だと説明し、理解を求めている。法律家団体としての立場、領域で最善を尽くしたい」と表明しました。
志位委員長は日弁連の運動に敬意を表するとともに、憲法と相いれない戦争法案の危険な本質をあらためて指摘しました。「文字通り、戦後最悪の立法の企てです。徹底審議のうえ、必ず廃案を目指す立場で頑張りぬきたい。戦争法案に反対する、立憲主義を守る一点共闘を広げ、国民的運動でくい止めたい」と決意を語りました。
日弁連は戦争法案に反対し、その違憲性を強く訴えた「安全保障法制改定法案に反対する会長声明」(14日)を発表しています。日弁連の三宅弘副会長は「ぜひとも国会で、(法案の)違憲性を新たにしていただき、反対の動きを強めてほしい」と要望。小池副委員長は「声明の中身は私たちの問題意識と重なる。国会論戦で徹底的に追及していきたい」と発言しました。
懇談では、戦争法案のほか、司法予算の拡大や司法修習生への給費実現などの政治課題が提起され、意見が交わされました。
山下書記局長は「戦争法案を阻止するためには国民世論が不可欠で、日弁連の役割は大きいと実感している。懇談を力に、国民世論を盛り上げ、戦後の日本政治のあり方を百八十度転換する悪法を何としても阻止するために力を合わせましょう」と呼びかけました。