赤旗2024年9月12日付
日本共産党のインターネット番組「とことん共産党」が11日夜、「なぜコメ不足? 価格高騰?」と題し、ライブ配信されました。農業問題が専門の小松泰信岡山大学名誉教授をゲストに迎え、日本共産党の小池晃書記局長、朝岡晶子さんが司会を務めました。
現在、全国的に深刻な米不足と価格高騰が続いています。小松氏は、米国の要求に応えてコメの生産量を減らす政策が続いてきたと説明。「大本で言えばここから始まっている。今回の令和の米騒動(の原因)は、昨日今日の話ではない」と強調しました。小池氏は「猛暑だからと言う以前に、政府が昨年も10万トンの生産を人為的に減らしてきた」と応じました。
朝岡氏は、備蓄米の放出を拒む岸田政権の対応について、「(坂本哲志)農水相の記者会見を見ても、危機感が全然ない」と指摘しました。小松氏は「何のための『備蓄』なのか。今の政権は本当に国民のことを考えない」と批判。小池氏は、「自民党の総裁選でも、米不足や農政の問題がほとんど取り上げられない」と、自民党農政の行き詰まりを示しました。
38%に沈む食料自給率について、小松氏は「一日の平均摂取カロリーは約2200キロカロリー。自給部分は約860キロカロリーで、基礎代謝よりも低い」と指摘。「米が足りないなら輸入すればいい」との意見には、「(世界的な人口増加が起こる中で)輸出国が自分の国民を飢えさせてまで日本に輸出してくれる保証はない」と話し、米の生産拡大によって家畜の飼料や米油、米粉などにも活用すれば、食料自給率を引き上げることができると紹介しました。
小池氏が、コメ農家の所得が時給換算で10円になると示した紙智子参院議員の国会質問を紹介すると、小松氏は「調べ直したら本当に10円だった。農水省の統計担当者は何も思わなかったのか」と憤りを語りました。
小池氏は、小松氏の著書『非敗の思想と農ある世界』から内容を引用し「『生産者には再生産を保障し、消費者には適切な価格で提供し、逆ザヤは国が埋める』と書いてありました」と紹介。「その通りだ。これで農業を支えていけば、こんな米不足は起こらない。国民の主食であるコメを安心して作り、食べられるようにするのは国の最も大事な仕事だ」と話しました。