日本共産党 書記局長参議院議員
小池 晃

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小池晃の活動報告

終戦記念日にあたって 日本共産党書記局長 小池晃

2024年08月19日

赤旗2024年8月15日付

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 一、終戦記念日にあたり、日本軍国主義による植民地支配と侵略戦争の犠牲となられた内外の方々に深い哀悼の意を表します。日本共産党は、憲法前文に記された、政府の行為によって再び戦争の惨禍を起こしてはならない、という不戦の誓いを新たにします。そのためにも、岸田・自公政権による日本を再び「戦争をする国」にする危険な暴走をやめさせるために、平和を願うすべての方々と力を合わせる決意を表明します。

 

 一、自公政権は、憲法の平和原則を次々と覆す「戦争国家」への暴走を続けています。歴代内閣が「憲法上できない」としてきた集団的自衛権行使容認の閣議決定を安倍内閣が強行してから10年がたちました。これ以降、自公政権は、安保法制=戦争法の強行、「専守防衛」を投げ捨てる敵基地攻撃能力の保有と大軍拡、「国際紛争を助長する武器輸出はしない」という「国是」を葬り去る最新鋭戦闘機を含む武器輸出の解禁、国家主権さえ売り渡す日米の指揮・統制機能の一体化と、「戦争する国づくり」に突き進んでいます。5年間で43兆円もの軍事費を注ぎ込む岸田大軍拡は、暮らしの予算を削り、国民負担を増大させるなど、平和も暮らしも破壊しようとしています。さらに岸田政権は、自衛隊とNATO(北大西洋条約機構)加盟国など「同志国」との軍事的共同を拡大し、ユーラシア大陸の東と西で軍事同盟を大増強する道に踏み出すとともに、核兵器の使用を前提とした「核抑止力」の強化を日米一体ですすめるための日米閣僚級協議をはじめました。

 

 国会にも、国民にも諮ることなく、一内閣だけで憲法解釈を勝手に変えたことが、どこまでも憲法を踏みにじるタガが外れた暴走政治を引き起こしています。さらに岸田首相は自民党の改憲案に緊急事態条項とあわせて9条に自衛隊を明記し、海外での無制限の武力行使に道をひらこうとしています。まさに、「平和国家」としての日本のあり方が土台から崩されようとしているのです。

 

 国民の怒りが広がる中で、岸田首相は自民党総裁選に立候補しないと表明しました。しかし、自民党の中での政権たらい回しでは、政治の中身は変わりません。

 

 日本共産党は、危険な暴走に断固として立ち向かうとともに、自民党政治を終わらせるために力を合わせることを広く呼びかけます。

 

 一、軍事同盟強化一辺倒では、軍事対軍事の悪循環をエスカレートさせるだけです。憲法9条を生かした平和の外交こそ、いま求められています。

 

 日本共産党は、「東アジアの平和構築への提言――ASEANと協力して」を発表しています。この提言は、憲法9条に基づく平和の対案です。ASEAN(東南アジア諸国連合)がすすめ、米国、中国、日本など関係国が参加する東アジアサミットなど現に存在する枠組みや国際的取り決めに依拠した現実的な提案であり、特定の国を排除するブロック的対応ではない地域のすべての国を包摂する提案です。そして、東アジアを戦争の心配のない地域にしていくために、国内外で草の根の運動を広げることを呼びかけています。

 

 北東アジアでも世界でも、軍事的対応、ブロック的対応を強化し、核抑止に依存して世界の分断・対立を深刻化させる動きが強まっていることは重大です。しかし、その一方で、包摂的な枠組みを重視し、非同盟・中立を志向し非核地帯条約によって核抑止と決別する確かな流れがあります。日本共産党の「東アジア平和提言」は、この世界の確かな流れと響き合うものであり、ここにこそ、東アジアを戦争の心配のない地域にしていく展望があると確信しています。

 

 一、先の大戦で、9万人以上の一般住民の犠牲者を出す悲惨な地上戦が繰り広げられ、戦後も米軍基地の重圧に苦しみ続けてきた沖縄で、16歳未満の少女への性的暴行事件など米兵による性犯罪を日本政府が隠ぺいしてきたことが明るみに出ました。米軍の新基地建設のためには、沖縄県民の民意も、地方自治も踏みにじる、日米軍事同盟を絶対視する自民党政治は、人権も、女性の尊厳もないがしろにし、性犯罪を隠ぺいするところまで堕落しています。真相究明、再発防止とともに、日米地位協定の抜本改定を強く求めます。辺野古新基地建設の中止、基地のない平和な沖縄の実現のために力を尽くします。

 

 一、79回目の終戦記念日にあたり、日本共産党は、反戦平和を貫いた102年の歴史を胸に刻み、日本と世界の平和のために力を尽くすことを誓います。ガザとウクライナでの悲惨な事態を一日も早く終わらせるために、イスラエルのジェノサイド、ロシアの侵略を許さず、国連憲章と国際法を守れという国内外の世論と反戦の運動と連帯します。憲法9条を守り抜き、大軍拡をやめさせるために全力をあげます。

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