赤旗2024年7月15日付
日本共産党の小池晃書記局長は14日のNHK「日曜討論」で、東京都知事選の受け止めや、これからの選挙のあり方などについて各党の幹部と議論しました。
都知事選
都知事選についての議論で、小池氏は「都民に十分な判断材料を提供できたのかが問われる」と指摘。立候補した前参院議員の蓮舫氏が掲げた、16兆円の都の巨大な財政力を神宮外苑の再開発などではなく全国一高い国民健康保険料引き下げなどに充てることなどを正面から議論すべきだったが、現職の小池百合子氏が討論会での政策論議から逃げ回り、メディアもそれを許したと批判しました。
続いてインターネットを利用した選挙運動や若い世代の投票行動をどう見るか議論になりました。小池氏は、ネット選挙が定着しつつあり、動画サイトやSNSを駆使してアピールしていくことが重要になっているとし「努力してより改善したい」と述べました。
同時に、ネットではさまざまな運動ができる一方、公職選挙法は規制ばかりだとして「ネットで発信できることが、印刷したら違法とされるような、古色蒼然(そうぜん)としたあり方は見直すべきだ。ネットで自由にできることは現実社会でも自由にできるようにする必要がある」と強調。一方、フェイクや過激な動画を投稿して再生回数を増やして稼ぐといったビジネス化は選挙にとどまらない問題であり、その在り方を考えるべきだと主張しました。
公職選挙法
都知事選挙で掲示板に候補者と関係ないポスターが貼られるなどの事態が起き、4月の衆院東京15区補選で選挙妨害が問題になったことから、公選法改正の是非が問われました。
小池氏は「選挙で一番大事な政策論争が自由に行われなければならないとの原則で考えることが基本だ」と強調。この点で、ポスターが公設掲示板にしか貼れず、戸別訪問や事前運動が禁止され、高額な供託金が求められるなど公選法は規制だらけだと批判。「世界に例のない規制を撤廃すれば、たとえば、公設掲示板の希少価値はなくなり、選挙ビジネスも成り立たなくなる」と述べました。
さらに、都知事選で問題になった卑猥(ひわい)なポスターは都条例で警告・撤去され、東京15区補選での妨害行為は公選法の選挙の自由妨害罪が適用されたことを挙げ「絶対に許されない行為には現行法で厳格に対応するのが筋だ」と強調しました。
若者・女性の政治参加
若者の政治参加で被選挙権年齢の引き下げについて問われた小池氏は、選挙権と被選挙権で年齢が違う合理性はないとし、被選挙権年齢を18歳にすべきだと主張。各党も賛同する一方、自民党の稲田朋美幹事長代理は「引き下げたからといって若者が参画できるのかと言ったらそうではない」と慎重姿勢を示しました。
女性の政治参加について小池氏は、都知事選での蓮舫氏への理不尽なバッシングを批判し「こうしたあり方を根本的に見直さなければいくら政治参加といっても進んでいかない」と指摘し、小選挙区制をやめて、比例代表中心の制度にするよう求めました。
今後の政治課題
最後に、今後の政治課題について小池氏は、沖縄での米兵による少女暴行事件の隠蔽(いんぺい)問題や、防衛省・自衛隊の不祥事についての衆参両院での総理出席の予算委員会の開催のほか、旧優生保護法で不妊手術を強制された被害者の尊厳回復と賠償を行う迅速な立法措置のために臨時国会が必要だと主張しました。