赤旗2024年5月18日付
改定金融商品取引法が15日の参院本会議で、自民、公明などの賛成多数で可決、成立しました。日本共産党は反対しました。
日本共産党の小池晃書記局長は14日の参院財政金融委員会で岸田政権の「資産運用立国実現プラン」に基づく同法等改定案について質問。スタートアップ(新規事業を立ち上げる企業)の未公開株(取引所に上場されていない株式)等の取引活性化のための規制緩和について政府をただしました。
未公開株は価値評価が難しく、リスクの高い金融商品です。改定案は、未公開株等を扱う証券会社の登録要件を緩和して新規参入を促進します。小池氏は、一般の個人投資家からの売却を仲介する業務が証券会社に認められたことに言及し、「未公開株の取引を拡大すれば、個人投資家のリスクを高める」と警告しました。
さらに、未公開株による深刻な被害が続いており、昨年、被害者が1万5千人以上、被害額が107億円にのぼる近年最大の未公開株詐欺が起きたと紹介。顧客からの求めがない勧誘を禁止する「不招請勧誘」禁止の適用を求めました。
不招請勧誘禁止は、電話や訪問による勧誘を禁止するもので、日本弁護士連合会なども未公開株への適用を求めています。鈴木俊一金融担当相は「無登録業者による被害はあるが、証券会社による大きな被害はなく、現時点では考えていない」と答弁しました。
小池氏は反対討論で「金融被害の危険を拡大すべきではない」と主張しました。