日本共産党の小池晃書記局長は4日の参院財政金融委員会で、「企業価値担保権」を創設する事業性融資促進法案について質問しました。
「企業価値担保権」とは、従来の不動産担保や個人保証などに依存することなく、借り手企業の事業内容や成長可能性などを評価するもので、評価対象には労働契約も含まれるため、労働者への影響が懸念されています。
小池氏は、担保設定時に、労働者への個別通知や労働組合からの意見聴取が行われない仕組みで、政府は「伝達を義務づけると、コミュニケーションの質の低下につながる」と説明しているが、「意味不明だ。労働者への情報開示と説明責任を果たすことが、コミュニケーションの質を向上させる」と主張しました。
小池氏は、参考人質疑でも「労働者が取引先などから担保が設定されていることを突然知ったら問題になる」との指摘があったとして、「ガイドラインには労働者への個別通知、労使協議を促す内容を明記すべきだ」と要求。金融庁の井藤英樹企画市場局長が「厚労省などと連携して、コミュニケーションのあり方を検討していく」と答弁したのに対し、「法文にきちんと明記すべきだ」と批判しました。
さらに小池氏は、企業価値担保権の貸し手(債権者)に限定がなく、銀行以外のファンドなども認められている問題を追及。法案を検討した金融審議会でも、担保権の乱用を防ぐため、「(債権者は)債務者に伴走できるだけの体力と知見を持つ者」に限定した方がいいとの意見があったとして、「投資ファンドや債権回収を本業とするサービサーにまで広げることで懸念はさらに拡大する」と警告しました。