赤旗2024年6月11日付
日本共産党の小池晃書記局長は9日のNHK「日曜討論」で、政治資金規正法の自民党の改定案や物価高対策について、各党の幹部と議論しました。
規正法改定案
裏金事件をうけて、自民、公明、日本維新の会の3党が衆院を通過させた政治資金規正法の自民党改定案が議論になりました。自民党の稲田朋美幹事長代理が「(与野党の)提案を取り入れて、公明、維新の合意ができ、改正案が通過した」と発言しました。
小池氏は「野党の意見を取り入れたというが、肝心要の企業・団体献金について議論すらしていない」と批判。改定案が政策活動費を合法化することは大改悪だと主張し、「領収書の公開を10年後で、しかも“黒塗り”でもいいという議論もある」と指摘しました。
維新の藤田文武幹事長が政策活動費の問題も「一歩前進した」「詳細は決まっていない」と述べたのに対して、小池氏は「なぜ10年後なのか、何で黒塗りでもいいのか。わからない」と述べ、「政党のために使うのだったら政党として収支報告書にそのまま支出を記載すればいい。そうすれば10年も寝かせておく必要ない。そうしたくないお金だから隠れみのとして、脱法的に、支出の実態を隠す制度だ」と批判しました。
小池氏は、パー券購入者の公開基準を「5万円超」に引き下げたことで「透明性は図られていく」と稲田氏が発言したことに、5万円はパーティー1回あたりの基準だと指摘。「パーティーを年に2回、3回、4回とやればどんどん上限が膨らむ。しかも、施行日は2027年1月で、2年半の間はパーティーやり放題。次の総選挙、参議院選挙に向けてパーティーでお金を集めることを認める仕組みだ」と批判しました。
物価対策、賃上げ
小池氏は物価高対策を巡り、中小企業の賃上げ政策として、大企業の内部留保に課税して中小企業支援し、最低賃金を時給1500円に引き上げる党の提案を紹介。日本商工会議所の小林健会頭がトヨタ自動車について、「某自動車は何兆円ももうけているけど下請けに払う分が1兆円あってしかるべきだ」と発言したことに触れ、「本当にその通りだ。トヨタは3月期決算で5兆円の利益を上げたが、下請け支援は3000億円だ。社会的責任を果たさせる政治の責任が必要だ」と主張しました。稲田氏は「(小池氏の発言は)非常に重要で、中小企業にちゃんと価格転嫁ができていく。下請けいじめにならないことは本当に求められている」と述べました。