赤旗2024年5月30日付
参院財政金融委員会は5月30日、新たな担保制度を創設する事業性融資推進法案の参考人質疑を行いました。日本共産党からは小池晃書記局長が質問しました。
新設の「企業価値担保権」は、企業が将来生み出す価値も含めた総財産を担保とするもの。法案は、この新たな担保により、不動産担保や経営者保証に頼らず、事業性と将来性に基づく融資(事業性融資)を進め、金融機関に融資先への継続的な「伴走支援」を促します。
小池氏は「企業価値を基準とする融資の推進は大事だ。ただ労働契約上の地位を含む担保であり、労働者の保護に懸念を持つ」と発言。「伴走支援で金融機関による経営への影響が強まれば、労働者の処遇への関与も強まり、金融機関の使用者性の検討が重要になる」として、使用者性の判断基準などを質問しました。
竹村和也弁護士(日本労働弁護団事務局長)は「部分的に決定する地位があれば団体交渉への応諾義務が課されるとする、一定意義のある裁判例はあるが、実際の運用が限定されている」「伴走支援には、人事に関する合理化施策は当然入ると思われ、その際に労組と金融機関が協議する場が必要だ。本案では、その点の手当が不十分ではないか」と述べました。