赤旗2024年5月16日付
日本共産党の小池晃書記局長は14日の参院財政金融委員会で、海外の金融系企業呼び込みのための法人税減税の動きについて、政府をただしました。
岸田政権は「資産運用立国実現プラン」で、海外金融業者の参入の規制緩和と減税を進める「資産運用特区制度」を打ち出しました。これに東京都、大阪府・市、福岡県・市、北海道・札幌市が応募し、2月にプランを政府に提出しています。
小池氏は4都市のプランで、東京都は外資系企業への法人税減税を国に求め、大阪府・市が金融系外国企業に法人住民税等の減税を実施するなどの動きがあると紹介。政府も「資産所得倍増プラン」で、税率16・5%のシンガポールなどと比べて法人税負担が重いのは問題だとして、「国際金融ハブ」に向けた税制を見直すとしているが、「特区推進のため、さらなる法人税減税を考えているのか」とただしました。鈴木俊一金融担当相は「税制を含めた取り組みで、金融機関・人材がわが国に集まることは重要」としつつ「資産運用特区のための減税は考えていない」と答えました。
小池氏は2021年に企業誘致のための減税競争を防止する国際合意がなされ、イギリスは法人税を19%から25%に引き上げ、高額所得の外国人を誘致するための優遇税制を見直し、社会保険料引き下げの財源としたことを示し、「世界の流れは呼び込み型の減税競争ではなく、格差是正のための優遇税制の見直しだ」と強調しました。