赤旗2024年5月10日付
日本共産党の小池晃書記局長は9日の参院財政金融委員会で、インボイス(適格請求書)制度の施行後、負担増による借金などによって自殺まで考えさせられている事業者もいるとして、施行後の状況についての全国調査や制度撤回を求めました。
小池氏は、「インボイス制度を考えるフリーランスの会」による「7000人実態調査報告」をあげ、「登録者の6割超が消費税の負担や事務負担にかかる費用を価格転嫁できず、身を削って消費税を補てんしている。この実態をどう考えるのか」と質問。さらに、独占禁止法などに抵触しないようにするため、理由を告げずに免税事業者との取引を打ち切る「サイレント取引排除」という実態も報告されているとして、「施行後の状況について全国調査が必要ではないか」と追及しました。
小池氏は、調査結果を示しながら、「大臣はこれを読み、取りまとめた『フリーランスの会』の方々に会っていただきたい」と要求。鈴木俊一財務相は、「調査結果は読ませていただく」としながら、各種団体に職員が出向して実態把握を行っていると繰り返し、「いまのところ会うつもりはない」と背を向けました。
小池氏は、「フリーランスの会」の調査ではインボイスによる負担増で、莫大(ばくだい)な借金をし、利息と取り立てで毎日自殺を考えているなど『死』を意識するようなコメントが29件も確認されていると強調。「自殺を考えるまで追い詰められてしまう制度は、正しい税制とは絶対言えない」と厳しく批判し、制度の撤回を求めました。