赤旗2024年5月1日付
日本共産党の小池晃書記局長は30日、国会内で記者会見し、外国為替市場で一時1ドル=160円に達するなど急速な円安による国民生活の影響について問われ、「このような過度で異常な円安は、輸入物価を上昇させ、消費者物価を押し上げ国民生活に非常に深刻な影響をもたらす」と指摘しました。日本銀行の植田和男総裁が「円安が基調的な物価上昇に大きな影響を与えているわけではない」(26日の記者会見)と発言したことについて「楽観的過ぎる。そのような見通しでは対応を誤りかねない」と批判しました。
小池氏は、財務省が「口先介入」「覆面介入」を仕掛けているとの報道について「いくら小手先の為替市場操作を行っても、日銀は利上げをできず、米国も利下げをする姿勢がないため、日米の金利差が縮小する見込みはなく、円売りドル買いの動きを止めることは困難である」と指摘。そのうえで、円安の背景について、30年来の「成長しない経済」によって「日本の経済力そのものが低下しているという構造的な問題もある」と語りました。
小池氏は「こうした事態を生んだ最大の原因はアベノミクスにある」と厳しく批判。安倍政権以来の「異次元の金融緩和」によって日銀が大量の国債を保有しているため、「利上げに踏み切れない状況にまで突き進んでしまった責任は極めて重大だ。破綻したアベノミクスを真剣に反省し、抜本的な政策転換を図ることが必要だ」と主張しました。
小池氏は物価高騰対策として、抜本的な中小企業支援と一体の最低賃金の引き上げ、消費税減税・インボイス中止などが必要だと主張しました。