赤旗オンライン2024年3月29日付
日本共産党の小池晃書記局長は29日の参院財政金融委員会で、関税定率法改定案について、限られた税関職員でやりくりするため、「特例輸入者」に対して緩和措置をはかるなど本末転倒であり、抜本的な増員こそ解決策だと迫りました。
同法は、税関が認定する「特例輸入者」に、関税や消費税の納税前に貨物を引き取ることができるなどの特例措置を設け、認定要件として「貨物のセキュリティ管理と法令遵守(じゅんしゅ)の体制が整備された事業者」などを挙げています。今回の改定ではさらに、関税納期限を延長する際、実質無担保とする緩和措置が盛り込まれました。
小池氏は、ダイハツ工業など不正行為があった事業者もいまだに認定を受けており、法令順守の基準と運用に疑問があると指摘。江島一彦関税局長は、一定の要件を満たせば取り消せると述べるにとどまりました。
小池氏は、税関の三つの使命のうちの「円滑化」を進めるあまり「関所」と「徴税」がおろそかになってはならず、税関機能強化のため抜本的に増員すべきだと要求。鈴木俊一財務相は、増加する業務に対応するため、必要な人員体制を図ることは重要であり今後も体制整備を図ると述べました。