日本共産党 書記局長参議院議員
小池 晃

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福祉施設に活用提案 未利用国有地で小池氏 参院財金委

2024年03月27日

赤旗2024年3月27日付

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(写真)質問する小池晃書記局長=22日、参院財金委

 日本共産党の小池晃書記局長は22日の参院財政金融委員会で、2019年の財政制度審議会答申が「地域のニーズを踏まえ」た未利用国有地の活用方針を示したことに言及し、福祉施設などに活用するよう求めました。

 

 小池氏は、13年間もの長期にわたり未利用となっている旧公務員宿舎・若松住宅跡の国有地(東京都新宿区、敷地面積6400平方メートル)について、「町会からは広場、公園にしてほしいという声があり、障害者施設への要望もある」として、検討状況について質問。財務省の奥達雄理財局長は「昨年秋より省庁から利用要望があり、現在検討中だ」と答弁しました。

 

 小池氏は「時間がかかりすぎている。地元の要望もあり、住民にきちんと説明すべきだ」と要求しました。

 

 待機児童問題が深刻化した10年、政府は未利用国有地について、売却ではなく定期借地権(期間を定めて貸す土地の権利)による貸し付けを進める方針を示し、15年には介護施設にのみ定期借地権の貸付料を減額優遇する仕組みを導入しています。

 

 小池氏は「優遇を介護施設に限定することには当初から疑問の声が上がっていた」として、対象の拡大を主張。首都圏の自治体で構成する「九都県市首脳会議」など自治体からの要望が出ていることも示し、保育園や障害者施設など他の全ての福祉施設への優遇の適用を求めました。

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○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 未利用の国有地活用についてお聞きをします。
 東京都新宿区に旧公務員住宅若松住宅跡の国有地ありますが、これ十三年間利用されておりません。敷地面積六千四百平米、八十七戸が入る十二階建ての建物、そして土地。国有財産台帳上の価値だけで約三十億円で、実勢価格は更に高くなるだろうと言われています。
 この国有地の活用の問題、私も国会で取り上げてきまして、二〇一〇年、待機児童問題が深刻化したときに、特に都市部で国有地を活用する必要があるんじゃないかと、これ厚労委員会で質問したんですが、財務省、前向きに答弁して、その後、政府も保育所やあるいは介護施設のための定期借地、推進してこられた。二〇一九年の六月には財制審の国有財産分科会から、今後の国有財産の管理処分のあり方について、国有財産の最適利用に向けてと題する答申が出されております。
 これ答申では、未利用の国有地に関して留保財産という仕組みが新たに導入されましたので、この仕組みについて導入の理由も含めて御説明ください。
○政府参考人(奥達雄君) お答えを申し上げます。
 お尋ねの留保財産でございますが、人口減少、少子高齢化などの社会経済環境の変化や国有財産のストックの減少など、国有財産行政をめぐる状況の変化を受けまして財政制度等審議会において議論が行われ、令和元年六月に御指摘のような財政制度等審議会から関連の答申をいただいたものでございます。
 同答申におきまして、留保財産とは、有用性が高く希少な国有地については、将来世代における行政需要に備えつつ地域のニーズに対応するため、国が所有権を留保をし、売却せずに定期借地権による貸付けを行うこととした国有地のことであるとされております。
○小池晃君 できる限り国として所有権は保持しつつ、地域などで有効活用するために定期借地による貸付けを促進するということだと思うんですが。
 この若松住宅は、先ほど言ったように、二〇一一年の十二月に廃止されながら、留保財産には選定されていない。十三年たつわけですね。ゴーストタウン化しつつあって雑草などが生い茂っていて、我が党の地元の議員が要望して草刈りなども行われていると聞いております。
 地元では、町会の方々からは、広場にしてほしい、公園にしてほしいという要望もあります。それから、近隣の障害者施設が老朽化しておりまして、これ、この地域というのは、その隣に戸山サンライズという全国障害総合福祉センター、障害者の皆さんが宿泊もできるような、私も障害者の皆さんの集会でよく行くんですが、それがある。それからその隣には新宿区の障害者施設もあって、やっぱりここに障害者施設を造ってほしいという要望は非常に強くあるんですね。今の施設でやっぱり障害者の生活介護ニーズ増えているので、足りないんじゃないかという声もあります。
 そこで、局長にお伺いしますが、この有効活用の検討状況今どうなっているのか。十三年間放置されているという、何で時間がこれほど掛かっているのか、お答えください。
○政府参考人(奥達雄君) お答え申し上げます。
 御指摘の合同宿舎、若松住宅でございますが、平成二十三年十二月に公表されました国家公務員宿舎の削減計画に基づきまして廃止がなされたところでございます。国有財産の有効活用のためには、境界確定の協議や土壌汚染の調査などの手続を行う必要がございます。
 本宿舎につきましては、その廃止以降、まず平成二十三年十二月から平成二十四年八月にかけまして埋蔵文化財等の発掘調査、その後、平成二十六年六月から平成二十九年三月にかけての土壌汚染調査、令和二年七月に一部省庁から本地における施設整備について照会がございまして、令和四年十月にその整備を断念する旨を私どもで聴取いたしました。
 そういった経緯を経まして令和五年五月から普通財産として管理を行ってきたところでございますが、その後、昨年秋に、さきに申し上げました省庁とは別の省庁から当該土地の利用につきまして検討したいとの御要望がございまして、改めて国での利用について検討いたしておりますことから、一定の時間を要しているものでございます。
 国有財産の管理処分に当たりましては、公用、公共用の利用を優先する考え方を基本とした有効活用を進めているところでございまして、本財産につきましても、有効活用の実現に向けまして、引き続き関係各所と協議を行いつつ適切な財産管理を行ってまいりたいと考えております。
○小池晃君 今答弁の中で別の省庁から利用の要望があったというんですけど、どこですか。
○政府参考人(奥達雄君) 現在、その当該省庁におきまして国としての利用を検討しているところでございまして、まだ方針が確定されたわけではないというふうに伺っておりますので、現時点ではその省庁の名称につきましてお答えすることは差し控えさせていただきたいと思います。
○小池晃君 これ二〇一七年十二月から二〇一九年六月までは、これ、森友問題契機にして、国有地の活用の在り方については国有財産分科会で議論が行われていたということで、その間にやはり活用の手続は止まっていたという、そういう事情もあるんでしょうか。
○政府参考人(奥達雄君) 平成二十九年十二月に財政制度等審議会に今後の国有財産の管理処分の在り方について諮問をいたしまして、令和元年六月に先ほど申し上げました答申を受けたところでございます。この間、旧若松住宅、本件を含む一定規模以上の未利用地、未利用国有地につきましては、ただいま申し述べました答申で示された留保財産制度の導入を経て具体的な活用を進めることとしていたという経緯がございます。
○小池晃君 いずれにしても、ちょっと余りにも時間が掛かり過ぎているのではないかというふうに言わざるを得ないと思うんですね。地元からは強い要望があるので、やはりきちっと御説明をいただきたいというふうに思いますし、やっぱりそれに応えた検討を求めたいと思います。
 その点で、これ、ここに限らずの問題なんですが、社会福祉施設について、定期借地権によって時価による貸付け行われているんですが、ただし、これ、介護施設だけ例外的に今貸付けの条件が優遇されているんですね。時価からの減額をして、それで貸付けをやっていると。これはもう二〇一五年に安倍政権の下で介護施設の問題、不足が問題になって、優遇認められた。
 一方、導入当初から、介護施設に限定していることには疑問の声が上がっていて、これ国会でも与党の議員が保育施設などに拡大すべきでないかと要望しています。
 都市部の知事、市長からは国への要望も出されております。今日、配付資料に、九都県市の首脳会議の、これ平成三十年の要望ですが、配らせていただきました。定期借地権による貸付けについて、保育所及び幼保連携型認定こども園、障害児通所支援事業所並びに障害福祉サービス事業所等の施設整備においても、介護施設と同様に貸付料減額の優遇措置を適用することということを求めているんですね。これ、私、当然の要望ではないか。それから、東京の特別区長会などからは継続的に要望出ていまして、これ、国有地の無償貸与ということも含めた要望が出ております。
 これ、昨年六月の関東財務局の国有財産関東地方審議会でも、審議委員の一人の方が、介護施設に減額優遇するなら障害者施設にも適用してはどうかという要望が出されているんですね。出席していた財務局の担当者は、本省に伝えるというふうにそのとき答えております。介護や保育でも国有地の活用進んできましたけど、保育でもまだまだ都市部での用地確保の課題はあります。障害者施設も同様だというふうに思うんですね。
 私は、財政審の審議踏まえて、国有地活用については地域のニーズを踏まえた利用を強化するという新しい方針、先ほども御紹介ありました、出されているわけで、やはりこの定期借地権による貸付けについては、介護だけに限定するんじゃなくて、保育や障害者施設など社会福祉施設にも広く優遇拡大すべきではないかと思いますが、大臣の答弁を求めます。
○国務大臣(鈴木俊一君) 小池先生の今の御質問は、賃料減額措置を拡大をするということだと承りました。
 財務省では、保育、介護等の社会福祉分野での国有地の積極的な活用を図るために、平成二十二年から定期借地権による貸付けを導入をいたしまして、介護施設のみならず、保育施設や障害者施設など社会福祉施設の整備を支援してきたところであります。
 そうした中で、介護施設については、他の施設に比べて広い用地を確保する必要があり、初期投資負担が大きいことから、政策的に必要な期間、地域、対象施設を限って賃料減額措置を講じているものであります。
 こうした趣旨を踏まえますと、財政法に基づき時価による貸付けが原則である中で、保育施設や障害者施設など他の社会福祉施設に対象を広げていくことは適当ではないのではないかと考えております。
 いずれにいたしましても、今後とも、地域、社会のニーズを踏まえまして、国有地が有効に活用されるよう、地方公共団体への情報提供など、引き続きしっかりと進めてまいりたいと思っております。
○小池晃君 介護施設は広いけど障害者施設はそうではないって、そんなことないと思うんですね。やっぱり広さだけでいうんであれば、これ同様にやっぱり減額の対象にするべきではないかというふうに思うんです。実際、現にこれだけ自民党が与党の自治体の首長さんからも都市部では強い要望として出されているわけですから、大臣、ちょっとそんなふうにしゃくし定規にしないで、やっぱりこれは介護施設だけじゃなくて保育や障害者施設にも広げるという検討をするということを是非求めたいというふうに思いますが。今の答弁しか出ないのであればもう聞きませんけど。出ないんですか。
 じゃ、終わります。非常に不満であるということを申し上げて、終わります。

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