赤旗2024年3月16日付
「真実を明らかにする責任は自民党総裁である総理にある」―。日本共産党の小池晃書記局長は15日の参院予算委員会で、自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件の真相解明を進める姿勢を全く示さない岸田文雄首相を厳しく批判し、清和政策研究会(安倍派)幹部の証人喚問を求めました。岸田首相は森喜朗元首相が調査の対象に入ると認めました。(論戦ハイライト)
安倍派は、参院選の年に改選議員にパーティー券の販売ノルマを設けず集めた収入を全額キックバック(還流)し、裏金が選挙買収などに使われた疑惑があります。小池氏は、岸田首相が5日の参院予算委で日本共産党の田村智子委員長の追及に対し、「党としても実態把握に向けてさらなる取り組みを進めていきたい」と答弁していると指摘。「あれから10日がたった。何をしたのか」とただしました。
岸田首相は「来週は衆議院の政倫審の弁明も予定される」と答弁。小池氏は「政倫審は別問題だ。党として調査をやると言ったのにやってない。国会での答弁は口から出まかせか」と批判しました。
裏金づくりが始まった経緯の鍵を握るのは森元首相(清和会元会長)です。小池氏は、岸田首相が自民党の聞き取り調査(2月15日)で森氏の関与を指摘する証言がないことを理由に森氏への聞き取りを拒んでいると指摘。「一方で、総理は聞き取り調査だけでは万全ではないと言っている。ならば総理が自民党総裁として、森氏に国会への出席を促すべきではないか」と迫りました。
岸田首相は「関係者のさらなる聴取を行うか判断する」と答弁。小池氏に「関係者の中に森氏も含まれるか」と迫られ、「森元総理も入る」と明言しました。
小池氏は、世論調査では自民党派閥幹部が「説明責任を果たしていない」との回答が9割に上っていると指摘。「説明責任は果たされていないということだな」と迫ると、岸田首相は「おっしゃる通りだ」と認めました。
小池氏は「真相の全面解明がされなければ、再発防止の対策も立てられない。徹底解明のための国会の役割を果たし、企業・団体献金の全面禁止を求める」と訴えました。