赤旗2024年3月9日付
新たな大企業優遇税制などを盛り込んだ所得税法等改定案が8日、参院本会議で審議入りしました。日本共産党の小池晃議員は「中小企業への直接支援に踏み切り、消費税を5%に減税し、インボイスは廃止を。法人税は行き過ぎた減税を見直し、応能負担原則に基づく増税こそ必要だ」と主張しました。
小池氏は、同改定案の賃上げ促進税制では、赤字の中小企業が賃上げに踏み切れないと指摘。与党税制改正大綱も賃上げに向けた「税制措置のインセンティブ(刺激)が必ずしも効かない」と認めており、「中小企業への直接支援に踏み切るべきだ」と迫りました。鈴木俊一財務相は「赤字の期間が1~3年の企業が8割超」だと認めましたが、直接支援は否定しました。
小池氏は、政府の税制改正大綱で英国、イタリアと共同開発する戦闘機の輸入部品に消費税免除がうたわれていると指摘。「共同開発そのものが許されないが、国民には消費税の重い負担を負わせながら、軍需産業には免税など理解が得られると思うか」とただしました。鈴木財務相は「国際機関が定めた拠出金を用いて関税、国内税を免除するものだ」と強弁し、軍需産業の免税を正当化しました。
同改定案には、電気自動車や半導体などの国内生産を促進する新たな税制の創設が盛り込まれています。小池氏は「減税額約2200億円のほぼ全てが大企業向けだ。特定商品をつくるほど減税される」と指摘。与党税制大綱も“累次の法人税減税は失敗した”と認めており、「新たな法人税減税で、さらに大企業に減税措置が集中するのではないか」とただしました。鈴木財務相は「一定の企業の運用額が大きいのは事実だ」と認めました。
小池氏は、国際社会では法人税の減税競争に歯止めをかける動きが強まっているとして、大企業減税の見直しを迫りました。鈴木財務相は「これまでの効果を見極め、検討する」と答弁しました。