赤旗2024年1月11日付
日本共産党の小池晃書記局長は9日夜、BS―TBSの番組「報道1930」に出演し、能登半島地震や自民党派閥の政治資金パーティーをめぐる疑惑などについて、立憲民主党の長妻昭、日本維新の会の音喜多駿両政調会長と議論しました。
物資輸送が急務
小池氏は、地震発生後の政府の対応について問われ「政府の対応は一定の時間がたったところで検証するのが基本だ」とした上で、「今からできることは全て対応してほしい。最悪のケースを想定して財政面、人員面で大規模に投入していくことが対策の基本だ」と述べました。
小池氏は、今後について「二次被害をどう防ぐのかが重要だ。救命救急を急いでやらなければいけない」と強調しました。石川県輪島市の避難所では、160カ所のうち物資が備蓄できているのは48カ所だけだと指摘し、「食料も水も圧倒的に足りない。感染症も広がっており、地震で助かった命が避難後に失われることがないように震災関連死をどう防ぐかが重要だ」と述べました。
維新の音喜多氏が「必ずしも自衛隊の投入を含めて後手に回ったとは感じていない」と述べたのに対し、コメンテーターの堤伸輔『フォーサイト』元編集長は「早いかと言われれば決して早くない。熊本地震(2016年)の時は立ち上がりが早くて物資がだぶついたところもあったが、足りないよりはいい。今回はあまりに遅い」と厳しく指摘しました。
パー券禁止必要
番組は、自民党派閥の政治資金パーティーの不正疑惑をスクープした「しんぶん赤旗」日曜版の記事を紹介。自民党が年間160億円など、他党の収入が政党助成金頼みであるのに対し、日本共産党が「しんぶん赤旗」などの事業収入でまかなっていることも伝えました。
小池氏は「党費、個人献金などで党の財政を運営しており、政党助成金を一切受け取っていない。国民、有権者の皆さんに財政的にも支えられている。一方、自民党の献金のほとんどは企業・団体だ」と語りました。
小池氏は「有権者である国民が個人でパーティー券を買うのは参政権の一つとして認められるべきだ。しかし、企業・団体がパーティー券を買うのは事実上の企業献金であり、本質的には賄賂だ」と指摘。1994年の「政治改革」で政党が国民の税金を山分けする政党助成金制度を導入したが、企業・団体が政党、政党支部に献金することがパーティー券購入という“抜け穴”として事実上許されてきたとし、「きっぱり禁止すべきだ。共産党は企業・団体献金全面禁止法案を提出している」と主張しました。
長妻氏は「企業・団体献金によるパーティー券購入は禁止すべきだ」と述べ、音喜多氏は「党内で議論中だ。本当に禁止していいのか」と慎重な姿勢を示しました。
堤氏は、政党助成金と企業・団体献金の二重取りだと指摘し、「なぜ政治家だけ使途不明金をつくってもおとがめがないのか」と批判しました。
政党から議員個人に支出される政策活動費についても議論になりました。政党の政治資金収支報告書には支出した議員名や金額を記載しなければなりませんが、議員側には記載義務はなく、使途は明らかにされません。日本共産党は政策活動費を支出しておらず、政党支部に対して支出した資金は全て収支報告書に記載されています。
音喜多氏は「政党にとって公開しづらいお金がある」などと必要性を強調したのに対し、小池氏は「政治資金規正法は、国民の不断の監視と批判のもとに置くことが趣旨であり、政治資金は全面的に公開するのが原則だ。ブラックボックスになっている『政策活動費』は廃止すべきだ」と反論しました。
国民的な旗印を
野党連携について問われた長妻氏は「政治改革、選択的夫婦別姓、教育無償化など共通する部分はかなりある。一騎打ちの構図にもっていく努力をする必要がある」と述べました。
小池氏は「『政治を変えてほしい』という国民の願いに野党は応えないといけない。その際、自民党と基本的な政策が変わらなければ、国民の願いに応えることはできない」「立憲(民主党)とはこの間、共闘の再構築に向けた議論をしており、政治とカネの問題だけでなく、憲法や暮らし、原発の問題など、自民党政治を変える国民的旗印を示せるかが問われている。市民と野党の共闘を前に進めていきたい」と主張しました。