日本共産党 書記局長参議院議員
小池 晃

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24年度政府予算案について 日本共産党書記局長 小池晃

2023年12月25日

赤旗2023年12月23日付

 日本共産党の小池晃書記局長は22日、2024年度政府予算案について、次の談話を発表しました。

 


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 一、本日、岸田文雄内閣が閣議決定した2024年度予算案は、自民党の政治資金パーティーをめぐる問題で、予算編成の大詰めの時期に4人もの大臣が更迭され、安倍派、二階派の事務所が強制捜査されるという、前代未聞の事態のもとで編成された。巨額の資金を「隠れ企業献金」として集めたうえ、政治資金収支報告書にも記載せずに「裏金」にし、「脱税」疑惑まで浮上している。自らはこのような金権腐敗行為を続けながら、税負担や大軍拡で国民を苦しめる予算を押しつけるなど断じて許されない。

 

 一、決定された予算案自体も、自民党の政治姿勢を反映し、国民の暮らしの苦難には目をそむけ、大企業や富裕層には大盤振る舞いするという、逆立ちした内容となっている。

 

 国民多数が望む消費税減税には背を向け、1回限りの「定額減税」でお茶を濁し、小規模業者やフリーランスからインボイスで過酷な税を取り立てる一方で、10年間もの長期の投資減税、大企業役員等へのストックオプション減税など、大企業や富裕層には減税をばらまいている。「次世代革新炉」の開発・建設予算を計上するなど原発推進もあらわにしている。中止を決断すべき大阪万博関連経費も追加計上された。

 

 診療報酬の引き下げなど医療関係支出の削減で、社会保障費の「自然増」は1400億円も削減された。年金は今回も物価上昇に及ばない改定率となった。介護保険の予算も現場の人手不足解消には程遠いものとなったうえ、岸田政権は、今後2~3年の間に、利用者負担2割化や介護サービスの保険給付を要介護3以上の重度者に限定するなどの大改悪を狙っている。

 

 政府が打ち出した「異次元の少子化対策」は、その財源にインボイスによる消費税収増を投入する。そのうえ「子ども・子育て特例国債」を2219億円発行するが、その返済財源のメドは立っておらず、社会保障のいっそうの削減につながる危険が大きい。

 

 一、軍事費は約8兆円となり、岸田政権が敵基地攻撃能力保有の大軍拡に踏み出したわずか2年間で1・5倍、実に2・5兆円も増加した。昨年末に決定された23年度補正予算での追加分0・8兆円をあわせれば8・7兆円に達することになる。まさに、「5年間で43兆円」の大軍拡計画に沿って、危険な暴走を続ける予算となっている。

 

 軍事費の中身も極めて重大である。極超音速誘導弾をはじめとするさまざまな長射程ミサイルの開発や量産、イージス・システム搭載艦の新造、自衛隊を米軍指揮下に組み込むための「統合作戦司令部」新設、さらには相手国からの反撃に備える自衛隊基地「強靱(きょうじん)化」など、「敵基地攻撃」態勢の構築に向けた項目が目白押しとなった。沖縄の民意と地方自治を押しつぶす米軍辺野古新基地建設をさらに進めようとしていることは言語道断である。

 

 大軍拡のあおりを受けて、中小企業対策費や食料安定供給関係費が来年度も減額となるなど、暮らしの予算が圧迫されている。さらに、数年後には復興特別所得税の軍事費への流用をはじめとした軍拡大増税が予定されている。平和も暮らしも破壊する「亡国の予算」にほかならない。

 

 一、このような予算案は、暮らしと経済の困難の打開、日本と世界の平和を願う国民の要求とはまったく相いれない。日本共産党は、24年度予算案に断固反対し、抜本的な組み替えを求める。そして、「底知れない」金権腐敗、国民の暮らしの苦しみそっちのけの「経済無策」、異常な「アメリカいいなり」という自民党政治を終わらせて、国民が希望をもてる日本にするために全力をあげる。

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