赤旗2023年12月15日付
日本共産党の小池晃書記局長は14日の記者会見で、自民・公明両党が同日決定した「与党税制改正大綱」について問われ、「国民の苦しみに背を向けている」「一方で、大企業や富裕層に対する減税は今まで通りにやっていこうというもの。国民が将来に安心して、消費していこうと思えるような中身にまったくなっていない」と厳しく批判しました。
小池氏は、大綱が、現局面について「デフレ脱却の生みの苦しみである物価高」と述べていることに触れ、「(物価高を)我慢しろということではないか」と指摘。現在の深刻な物価高に対し求められている消費税減税が「一言も出てこないことが最大の問題だ」と強調しました。
また、時事通信の世論調査で、政府の経済対策が企業の賃上げにつながるのか、という設問に、「つながらない」との回答が68%にものぼっていることを紹介。「にもかかわらず、物価上昇を上回る賃金上昇の実現が課題だと言いながら、やろうとしていることは賃上げ促進税制だけ。評判の悪い定額減税は予定通りとしている」と批判しました。
しかも、大綱では、中小企業においてはいまだ6割が赤字法人で「税制措置のインセンティブ(動機付け)は必ずしも効かない」、と「賃上げ促進税制」が役に立たないことを認めていると指摘。赤字でも5年間の繰り越し控除を設けて賃上げを実現するとしていることについて、「5年後に減税されるかもしれないからと、赤字に苦しむ中小企業が賃上げを行うのか」と疑問を呈しました。
さらに、ストックオプションの非課税枠の拡大については「会社役員など超富裕層への大減税だ」と主張。大綱では、大企業の内部留保が積み上がり、「近年の累次の法人税改革は意図した成果をあげてこなかった」と法人税減税は効果がなかったと明記しながら、半導体など大企業への法人税減税が目白押しであることを批判しました。
議員辞職すべきだ
柿沢氏捜索
小池氏は東京都江東区長選をめぐる公職選挙法違反事件で東京地検特捜部が同日、自民党の柿沢未途衆院議員の議員会館事務所と自宅を家宅捜索したことについて問われ「公選法違反という政治家にとって非常に重い法律違反の疑惑であり、議員辞職すべきだ。自民党は責任をもって議員辞職を迫るべきだ」と述べました。
小池氏は、柿沢氏が同日自民党を離党したことをあげ、「離党で済む話ではない」と批判。この間、自民党が不祥事や法違反の疑いが出るたびに離党させ「とかげのしっぽ切り」「臭いものにふた」という対応をしてきたとして、「自民党の国会議員であり、自民党として責任をもって議員辞職をさせなければ、自民党には自浄能力がないと言われても仕方がない」と述べました。
政権末期といえる
内閣支持17%
小池氏は時事通信の世論調査で岸田内閣支持率が17・1%まで下落したことをあげ、「時事通信によると、内閣支持率が2割を切ったのは麻生内閣の2009年9月以来で、政権末期といえる数字だ」と述べました。
小池氏は、時事通信の世論調査では、自民党の支持率が18・3%となっていることを指摘。「自民党の支持率は2割をきったが、(岸田内閣の支持率は)それよりも低い。コアな自民党支持層、岩盤支持層も、もう支持しなくなり始めている。まさに政権崩壊直前だ」と述べました。