「赤旗」2015年4月30日付
徳島市の企業が中国人実習生に対し、賃金未払いのまま解雇しようとしている問題で、日本共産党の小池晃、仁比聡平両参院議員が28日、厚生労働省と法務省に対応を求めました。
問題となっている企業は、日産常盤株式会社です。
昨年5月、帰国予定の実習生が未払い賃金の支払いを求めて徳島労働基準監督署に申告し、それ以降の未払いはなくなりました。しかし、それ以前の未払い分が解決していないとして、今年2月に7人が申告。未解決だったため、今月24日に社長に支払いを求めたところ、「仕事をしなくてもよい」と言われ、翌日には中国人実習生20人分のタイムカードも撤収されてしまいました。
送り出し企業の社長も、実習生を本国に送還させると言明。未払い分が支払われない恐れがあります。
実習生が1年間で休めるのは元旦と花見の2日間だけで、1日に5~6時間の残業があったといいます。時給に換算すると350円足らずで、未払い分は1人あたり100万円程度と見られます。
小池氏は「緊急に連携をとり、未払い分の解決をはかってほしい」と求め、仁比氏は「本人たちの要求をきちんと聞く場を設定すべきだ」と要望。両省の担当者は「関係者と相談し、どんな対応が一番望ましいのか判断したい」と答えました。
政府は今国会に、外国人実習生制度に関する法案を提出しましたが、新たな監督機関の設置にとどまっており、実習期間延長などの改悪をすすめようとしています。