赤旗2023年10月11日付
日本共産党の小池晃書記局長は10日、国会内で記者会見し、埼玉県議会で自民党県議団が提出した「虐待禁止条例改正案」が多くの批判を受け撤回に追い込まれた事態について問われ、「短期間に反対意見が急速に広がった。県民、全国に広がった反対の世論が追い詰めた結果だ」と述べました。
小池氏は、条例案の中身は、「児童の養護者の事情を一切考慮せず、児童の放置を禁止し、過度な精神的・肉体的・経済的負担を強いる中身だ」と批判。「子どもだけでの留守番や外出を『置き去り』として禁止するなどあまりに広範囲だ。不安と怒りの声が大きく広がったのは当然だ」と述べました。
小池氏は、児童虐待の根絶は非常に重要な課題だとしたうえで、「大切なのは広範な禁止事項を押し付けることではない。子どもを社会全体で育てていく、地域の連帯の中で包み込んでいくことこそ求められている」と強調。「この条例案では、むしろ養護者を追い詰め、孤立させ、結果として虐待を助長しかねない」と批判しました。
小池氏は、自民党の県議団長が条例案の取り下げ理由は「条例案の中身」ではなく「説明不足」だとしていることに触れ、「説明の問題ではない。全く反省がない。自民党と公明党は委員会で一度賛成しているのだから、その点でも責任は極めて重大だ」と指摘。「なぜこのような条例案が出されたのか、政治的な背景も含めて自民党と公明党は県民に対して、真摯(しんし)に謝罪し説明すべきだ」と述べました。
さらに、自民党の国会議員からの「条例案提出の経緯を聞いていなかった」などの発言について問われ、「県議団まるごとで提出しているのだから『知らなかった』で済む話ではない。自民党の党としての責任が問われる問題だ」と述べました。