赤旗2023年9月26日付
日本共産党の小池晃書記局長は25日、国会内で記者会見し、大阪・関西万博の会場建設費が約2300億円に膨らむ見通しとなり、当初より1000億円超も増えている問題について、「東京オリンピックの建設費を思い起こさせる膨張だ」と指摘し、「夢洲(ゆめしま)を拠点に巨大開発を進める大阪・関西万博は中止すべきだ」と述べました。
小池氏は、大阪・夢洲へのアクセス道路である高速道路淀川左岸線の2期事業にもふれ、「当初の計画1162億円から2・5倍の2957億円に膨れ上がっている」と指摘。駅の整備や道路の施設など各種インフラ整備費用も膨れ上がっていることをあげ、「総費用は1兆円近くになるという指摘もある」と述べました。
小池氏は、万博開催後の夢洲が、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の会場にされることをあげ、国策として進めている万博を口実に、カジノのためのインフラ整備費が上乗せされているということだ」と説明。「日本維新の会は、身を切る改革というが府民、市民の身を切ってカジノのための大規模開発を進めるものではないか」と批判しました。
小池氏は、万博の建設費用について、国と大阪府市と経済界で3等分すると閣議了解されていることにふれた上で「いま事業を止めないと大阪府民、市民、そして国民がさらなる負担を強いられることになる」と指摘。さらに海外パビリオンの建設工事が遅れている問題で、建設労働者に対して時間外労働の上限規制を適用しないよう日本国際博覧会協会が政府に要望したことが報じられているとし、「労働者を犠牲にした突貫工事は、“いのち輝く未来社会のデザイン”という大阪・関西万博が掲げるテーマにも反する」と述べ、中止を求めました。
また、万博中止の補償費について、「参加国や国際万博協会への補償の上限額は来年4月12日までに中止すれば約325億円だ」と説明。「いま中止することで負担は少なくなる」と強調しました。