赤旗2023年9月25日付
日本共産党の小池晃書記局長は24日、東京電力福島第1原発事故の汚染水(アルプス処理水)海洋放出の影響について、宮城県女川(おながわ)町の漁業者と懇談しました。共産党元町議の高野博さんが案内し、阿部律子党町議と高野晃町議(無所属)が同行しました。
この日の水揚げを終えたという、ホタテなどの養殖業を営む木村義秋さん(71)は小池氏に、海洋放出が近づくにつれ、キロ当たり600~550円だったホタテの価格がどんどん落ち、中国に出荷できなくなったことで400円ほどになっていると説明。「700万~800万円は損害が出ている。うちはホヤやカキもやっているが、ホタテ一本の業者も多い。これではみんなやっていけない」と憤りを語りました。
水面近くのホタテの多くが今年の猛暑で死んだ中での海洋放出の開始と述べ、「震災後に借金しながら再開してやっと軌道に乗ってきたところでこれだ。最低でも国の価格補償は必要だ」と訴えました。
小池氏は「被害の全体を補償するのは当然です。何より直ちに海洋放出の中止が必要です。海洋放出でなく、陸上での保管などの措置をとるべきです」と応じました。
小池氏らは小屋取(こやどり)浜から、来年2月にも2号機の再稼働が狙われている東北電力女川原子力発電所を視察しました。