2023年9月5日付
日本共産党の小池晃書記局長は4日、国会内で記者会見し、沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設をめぐり、県の上告を棄却した最高裁の判断について「歴代自民党政権による県民の民意も地方自治も無視した基地押し付けを容認するきわめて不当で重大な判決だ」と述べました。
小池氏は、「政府が沖縄県の不承認処分に対し、国民の権利救済を目的とする行政不服審査制度を乱用し、県の判断を取り消した」と指摘。こうしたやり方について、「国が私人に成りすますもの」だとして、多くの行政法研究者からも批判の声があがっていると強調しました。
小池氏は、辺野古新基地建設は政府が閣議決定した方針だとして「沖縄防衛局と国土交通省という政府の身内同士で公正中立な審査などできるわけがない」と述べました。
さらに、小池氏は政府が地方自治法に基づいて是正指示を出し、設計変更を承認するよう県に指示していたことをあげ、「是正指示は国でしか取り得ない措置だ。行政不服審査法と地方自治法で、私人の顔と国の顔を都合よく使い分けて、県の判断を押しつぶそうというむちゃくちゃなやり方だ」と指摘。今回の最高裁判決は、こうした国のやり方にお墨付きを与えるものだとして「将来に禍根を残す。三権分立が機能していないと言わざるを得ない」と述べました。
その上で、小池氏は新基地建設について、国はこれまで設計変更申請の承認から完成まで少なくとも12年以上かかるとしてきたと指摘。世界に類を見ない水深90メートルに及ぶ軟弱地盤とも言われ、相当の難工事になることが指摘されているとして、「いつ完成するのか、そもそも完成できるのかもわからない。埋め立て土砂を戦没者の遺骨が眠る南部から調達することにも、県民の深い怒りが広がっている」と述べました。
小池氏は、日米両政府が普天間基地の全面返還に合意してから27年以上が経過する中、県民は3度の知事選をはじめ、一連の選挙、県民投票などで新基地建設反対の民意を明確に示してきたにもかかわらず、政府はこの民意を乱暴に踏みにじってきたと述べ、「ここに最大の問題がある。岸田政権は県民の民意を正面から受け止め、普天間基地の即時運用停止、閉鎖撤去に正面から取り組み、辺野古新基地建設はきっぱり断念すべきだ」「日本共産党は、オール沖縄の人々と力を合わせ、2013年の建白書、復帰50年の建議書の実現のために、これからも県民とともに全力でたたかい抜く決意だ」と表明しました。