赤旗2023年8月24日付
日本共産党の小池晃書記局長と紙智子参院議員は23日、国会内で、沿岸漁業への漁獲可能量(TAC)制度の導入をめぐって水産庁の担当者から聞き取りを行い、沿岸漁民の自主的な取り組みを尊重した漁業資源管理をするよう主張しました。
TAC制度は、漁獲可能量を決めて漁獲量を制限する漁業資源の管理手法。これまで、大型漁船により操業する沖合漁業を対象にしてきましたが、水産庁は2023年度までに、沿岸漁業・沖合漁業の区別なく漁獲量の8割をTAC管理とするロードマップを示し、実行に移そうとしています。
小池氏は、漁獲魚種も漁法も多様な沿岸漁業では、漁民らによる自主管理によって漁業資源を維持する手法が確立されてきたことを指摘。千葉県勝浦市の沿岸漁業では、キンメダイの自主管理を徹底して漁獲量も増やしていることなどを紹介し、「(TAC管理で)漁獲量を一律に決めて規制するのではなく、沿岸漁民の自主的な資源管理の取り組みを支援すべきだ」と述べました。
紙氏は「沿岸漁民らは徹底して議論し、一致して自主管理の手法を決めている。だから、自らに厳しい規制をかけられる。そういう自主管理の努力をしているところに、一律に漁獲量を決めて割り当てるのはいかがなものか」との懸念を伝えました。
水産庁の担当者は「(沿岸漁民の自主管理の)取り組み自体を否定しているわけではない」と主張。TAC管理について「漁業者、漁業団体の意見を丁寧に聞き、理解と協力を得たうえですすめる」と述べました。