赤旗2023年8月24日付
第2次世界大戦の終結後、旧ソ連によってシベリアやモンゴルに抑留され、強制労働などで命を奪われた人たちを追悼する「シベリア・モンゴル抑留犠牲者追悼の集い」が23日、東京都千代田区の国立千鳥ケ淵戦没者墓苑で行われました。シベリア抑留者支援センターが主催し、約150人が参列しました。
8月23日は、旧ソ連の指導者だったスターリンが1945年に抑留・強制移送の指令を出した日です。旧日本軍の兵士ら約60万人が捕虜として不当に連行され、過酷な環境のもとで約6万人が死亡したとされています。
シベリア抑留体験者で同センター世話人の新関省二さん(97)は「亡くなった人のうち1万5000人以上の情報がなく、死亡の特定ができていない。遺骨も3分の2が現地に眠ったままだ」と述べ、終戦から78年がたっても未解決の問題があると指摘しました。
また、抑留体験者の平均年齢が100歳になることに触れ、国が当事者として責務を果たすためにも「この追悼の集いを国が主催していただきたい」と求めました。
父親がシベリアの収容所で病死した立教大学名誉教授の山本顕一さん(88)は、抑留の実態が風化しつつある現状に危機感を示して「戦争は絶対にくり返してはならない」との思いを語りました。
小池書記局長参列
来賓として与野党の国会議員が参列。日本共産党の小池晃書記局長は「シベリア・モンゴル抑留は旧ソ連の国家犯罪であり、遺骨収集と資料提供などの全責任は現在のロシアにある」とした上で「人道的な観点でロシア政府とも協力し、遺骨を故郷に返すことを日本政府の大事な責任として求めていきたい」と決意を述べました。