赤旗2023年8月22日付
日本共産党の小池晃書記局長は21日、国会内で記者会見し、東京電力福島第1原発事故の汚染水(アルプス処理水)の海洋放出をめぐる政府の対応について、「『関係者の理解なしには、いかなる処分も行わない』という約束を守り、放出方針は撤回すべきだ」と述べました。
小池氏は、岸田文雄首相が放出実施の判断は「最終段階に入った」と明言し、月内にも放出する方針を示していることについて「『最終段階』などと誰が決めたのか。政府と東電はこれまで、『関係者の理解なしには、いかなる処分も行わない』ということを約束してきたではないか」と指摘。岸田首相が20日に福島県を視察したことに触れ、「地元の漁業関係者の声も聞かず、会おうともしない。その上で処分に踏み切るというのは完全な約束違反だ」と批判しました。
小池氏は、「朝日」の世論調査では、政府の風評被害防止は「不十分」が75%、共同通信の調査では、「風評被害の懸念を持つ」が88%、「政府の説明は不十分」が81・9%に上っているとして、「国民の多くも今回の放出には十分な説明がなく、風評被害が心配だという声を上げている。私も漁業者から話を聞いたが、すでに輸出品の価格の大幅な下落など風評被害の影響が出ている」と述べ、重ねて放出方針の撤回を求めました。