赤旗2023年7月30日付
来たるべき総選挙での勝利にむけ、日本共産党の小池晃書記局長は29日、神戸市内で開かれた衆院選兵庫1区時局演説会で、「共産党は、戦前は命がけで戦争に反対し、戦後はアメリカいいなり、大企業優遇の政治を変えようとがんばってきた。これからも新しい日本、希望が持てる世界のため全力をあげる」と語り、こむら潤衆院近畿ブロック比例予定候補(兵庫8区)、ふじすえひろみ衆院兵庫1区予定候補の勝利を訴えました。
演説会では、みんなの王子公園&動物園の会の蔵原しおりさんが応援演説。ふじすえ予定候補と、こむら予定候補が訴えました。
こむら氏は、若い世代は非正規雇用や奨学金返済など、経済的な理由で結婚や子育てを選べず、学校現場は深刻な教職員不足だと指摘し軍拡している場合ではないと強調。「国民のくらしと命を支えるために財界にきっぱり物が言える日本共産党こそ増やしましょう」と決意を述べました。
小池氏は演説の冒頭で、日本維新の会の馬場伸幸代表が、「共産党は日本からなくなったらいい政党」と述べたことについて、「他党の政策や理念を批判する権利はあるが、『日本からなくなっていい』と存在そのものを否定することは民主主義を根本から否定する議論だ」と批判しました。
馬場氏が、維新を“第2自民党”と位置付け「第1自民党と第2自民党が競い合う」と発言したことについて、「私たちは今まで維新のことを『自民の補完勢力だ』と指摘してきたが、自分で言ったのは初めてで分かりやすくなった。自民党政治を根っこから変える共産党が邪魔なのだろう」と述べました。
その上で小池氏は、「戦前の支配勢力は、共産党を『アカだ、非国民だ』として治安維持法によって非合法化し、特高警察が作家の小林多喜二氏ら多くの党員を拷問で虐殺し、侵略戦争に突き進んでいった」「共産党を『日本からなくす』というのは、こういう歴史を繰り返すことだ」と語り、「日本の民主主義を根本から壊す議論は絶対に許さない。暴言の撤回を求めてたたかい抜く。こんな議論がまかり通るような日本にしないためにも、共産党の躍進を」と聴衆によびかけました。
徹底した民主的運営、決めたことは実行、「ぶれない党」と評価
小池氏は、敵基地攻撃能力保有、大軍拡を進める岸田政権の「戦争国家づくり」に反対する日本共産党に対し「民主集中制だから異論を認めない」と事実に反する攻撃があることについて言及。「民主集中制の『民主』は党内民主主義のことであり、『集中』とはみんなで一致団結して力を合わせること。政党として当たり前だ」と指摘しました。党大会にむけ全国の支部で何カ月も議論し、党大会(前28回大会)では5日間の議論を経て方針を決めた「徹底した民主的運営」を実行している党の姿を示しました。自民党=1時間半、公明党=1時間50分、維新=45分―など短時間で終了した他党の大会運営の実態について語り、「共産党は他党とは比べ物にならない民主的運営をしている」「そして民主的な議論を通じて決定されたことはみんなでその実行にあたる、これが公党としての国民への責任だ。『ぶれない党』という評価の根本にあるのも、この党の運営だ」と強調しました。
小池氏は、「大会で決めた方針を実行する役員全体を選挙で選んでおり、方針や人事を党首一人の判断で決めるような政党ではない。だから反戦平和をぶれずに訴えることができる」と主張し、一致団結する「チーム共産党」には戦前から厳しい弾圧が加えられたが、今は声をあげることができるとして、「日本を新しい戦前にしないため力をあわせましょう」とよびかけました。
7月15日に創立101周年を迎えたと話した小池氏は、「なぜ100年以上も続いたのか…。どんな弾圧や攻撃にも屈せず、自己改革の努力を続け、国民との共同を瞳のように大事にしてきたからだ」と指摘。「企業・団体献金も政党助成金も受け取らず、市民との約束を裏切らない、101年ぶれないこの党が大きくなれば、政治はかならず変わる」とのべ、共産党への支持を重ねて訴えました。
参加した女性(85)は、「小池さんは私たちが思っていることをズバリと言ってくれた。日本はアメリカ言いなりすぎ」と話し、一緒にいた女性(97)は「(岸田政権のもと)憲法を守って戦争放棄どころか、軍拡が進んで年金が減る」と憤りました。
演説会終了後、会場で4人が入党しました。