赤旗2023年7月12日付
日本共産党の小池晃書記局長は11日、国会内で記者会見し、「健康保険証の存続、マイナンバーカードへの一本化の中止を “マイナンバーカード暴走”を止めよう」と題するアピールを発表しました。党国会議員団の「保険証廃止撤回・マイナンバー問題追及委員会」責任者の塩川鉄也衆院議員が同席しました。(アピール全文)
アピールは、通常国会で自民、公明、維新、国民民主の賛成でマイナンバー改悪法が強行され、批判や矛盾が噴出しても保険証廃止などを強引に進めようとする岸田政権のもとで混乱が深まっていると指摘。岸田政権が昨年10月、2024年秋に健康保険証を廃止し、マイナンバーカードに一本化すると言い出したことが混乱の引き金だと指摘し、マイナンバーカードを性急かつ強制的に国民に持たせようとして大混乱を招いた“マイナンバーカード暴走”に国民の怒りが広がるのは当然だと強調しています。
健康保険証の廃止は国民皆保険制度を脅かし、命にかかわる問題だとして、保険証の存続を要求。マイナンバーカードの運用をいったん停止し、安全・確実な総点検が必要だと求めました。また、岸田政権が「デジタル重点計画」で運転免許証、母子健康手帳、介護保険証などさらなる一体化を進めようとしていると批判しています。
最後に、マイナンバー制度を導入した政府・財界の最大の狙いは、社会保障給付を抑制し、国の財政負担、大企業の税・保険料負担を削減していくことだと指摘。個人情報ビジネスでの特定企業の利益拡大を、デジタル化による成長戦略に位置付ける政治が、不安と不信を広げた大混乱の根本にあるとして、マイナンバー制度の根本からの再検討、制度廃止を含めて白紙から見直す国民的議論をと訴えています。
小池氏は、「街頭での訴えや署名活動に全力をあげてきたが、大変怒りが強い問題だ。さらに世論を盛り上げる運動を広げていくためにアピールを発表した」「問題の背景に何があるかも示し、この声をさらに広げ、(健康保険証の)存続に持っていきたい」と述べました。