赤旗2023年6月13日付
日本共産党の小池晃書記局長は11日のNHK「日曜討論」で、会期末を迎える国会審議や、政府の少子化対策、軍拡財源の問題などについて、各党の幹部と議論しました。
悪法を強行
小池氏は、終盤国会では、法案の根幹を揺るがす大問題が次々に明らかになったにもかかわらず、改悪入管法や改定マイナンバー法などの悪法が強行されたと指摘し、「さまざまな問題が出てきても、反対の声がどれだけあがっても、数の力で通してしまう。国会は何のためにあるのか」と批判。最終盤に向け、悪法強行を許さないために全力をあげると表明しました。
立憲民主党の岡田克也幹事長は、改悪入管法について「根本的な問題をスキップして法改正をしてしまったことは非常に問題だ」と批判。自民党の井上信治幹事長代理は「それぞれの法案に対して各党・会派の賛成を得る努力をしてきた」と強弁しました。
少子化対策
政府の少子化対策についての議論で、小池氏は、少子化の最大の原因は、労働法制の規制緩和が進められ非正規雇用が拡大したことで、安心して結婚し子どもを産み育てることができなくなったことだと指摘。非正規は臨時的・一時的仕事に限定し、希望するすべての人の正社員化や、長時間労働・単身赴任規制などの抜本的な対策に切り込まなければ少子化対策にならないと述べました。
また、重い教育費負担の軽減策として、▽学費は無償をめざし半額に▽入学金は廃止▽奨学金を貸与から給付に▽返済中の奨学金は半分免除▽学校給食費無償化―を提案。「こうした子育てや教育にかかるお金の心配をなくす対策こそ、徹底してやらなければならない」と強調しました。
岡田氏は、政府が非正規雇用を拡大させてきた問題と少子化は密接に関係していると指摘し、「(政府の政策は)安心して働き、結婚できる社会をつくるための対策が欠けている」と批判しました。
少子化対策の財源問題で小池氏は、「児童手当の拡充と所得制限撤廃は入り口から財源を示せず、看板倒れになっている」と指摘。「5年間で43兆円の大軍拡で軍事費を世界第3位にする一方で、教育予算は『先進国』で最低だ。やることが全くあべこべではないか」と批判した上で、格差是正のためには、富裕層・大企業への行き過ぎた優遇の見直しも必要だと主張し、「メスを入れるべきところにしっかりメスを入れ必要な財源をつくることが、抜本的な少子化対策を進める『カギ』だ」と強調しました。
軍拡財源法案
軍拡財源法案の議論で小池氏は、大軍拡に伴う大増税や社会保障費の削減は避けられないと指摘し、「医療も介護も壊滅状態だ。高齢者は年金を減らされ、医療・介護の負担が増え、悲鳴をあげている。ここからさらにどう削るというのか」と批判。「専守防衛」を投げ捨てる敵基地攻撃能力の保有は、結果として日本に戦火を呼び込むと指摘し、「暮らしも平和も押しつぶす大軍拡はやめるべきだ」と訴えました。岡田氏も「43兆円は一度見直すべきだ」と述べました。
小池氏は、会期末に向けて、軍拡財源法案の廃案、LGBT理解増進法案の当事者を含めた十分な審議時間の確保を要求。「岸田政権は全く信任に値しない政権だ。不信任案が提出されれば当然賛成する」と述べました。