赤旗2023年5月25日付
全国商工団体連合会や農民運動全国連合会、全国生活と健康を守る会連合会など8団体は24日、東京都内で、372カ所とオンラインをつなぎ、自主申告運動の擁護・発展をめざすシンポジウムを開きました。「税務相談停止命令制度」創設後もひるまず自主申告運動に磨きをかけようと確認しました。
今国会で成立した税理士法の命令制度は、財務相が税理士でない者の税務相談の停止を命令でき、命令違反には罰則を科すもの。
この間8団体は共同し、財務省、国会議員に要請。日本共産党の国会論戦と結び、命令処分は脱税指南や不正還付、納税義務の適正な実現に重大な影響を及ぼす場合に限定され、命令処分の前に弁明の機会が与えられることを確認しました。緊急署名は3カ月で16万人分を超えました。
開会あいさつで全商連の岩瀬晃司副会長は「命令制度に立ち向かい、納税者の自主申告運動をさらに擁護・発展させよう」と述べました。
不公平な税制をただす会共同代表の浦野広明税理士が基調講演。基本的人権、自己決定権などを規定した憲法や法律を根拠に、増税、軍事国家化を狙う政府の圧力をはね返そうと訴えました。
シンポジウムで自由法曹団の西田穣弁護士は、命令制度が恣意(しい)的に使われ、萎縮効果を狙うものだと指摘。TCフォーラム事務局長の平石共子税理士は「日本の税務援助が立ち遅れている今こそ納税者権利憲章制定のチャンス」と話し、東京税経新人会会長の大矢良典税理士は「国民のための税理士制度へ税理士も声を上げないといけない」と述べました。
全商連の中山眞常任理事は「税務行政のささいな変化も見逃さず、必要な行動を呼びかけ合おう」と語りました。
日本共産党の小池晃参院議員があいさつ。「納税者の権利を守り、憲法の国民主権にふさわしい税制にすることが必要だ。納税者の未権利状態を告発し、権利憲章の制定を、党派を超えて政府に求めていく運動を一緒に広げよう」と述べました。