赤旗2023年5月24日付
小池氏ら発言
「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」(市民連合)は22日、岸田政権による大軍拡を止めようと、安保3文書と軍拡財源法案の問題点と危険性を学ぶ緊急院内集会を衆院第2議員会館で開きました。市民、学者、野党の代表が参加し「共同を広げて大軍拡と日本の軍事化を止めよう」と確認しました。
青井未帆・学習院大学教授(憲法学)は、安保法制によって、武力行使の根拠が「わが国への武力行使」から「存立危機事態」と内閣の判断に委ねられることになったと批判。安保3文書を実施する段階では国民の人権・安全より「日米同盟の軍事的合理性が優先されることになる」と告発しました。
ジャーナリストの布施祐仁さんは安保3文書は「台湾有事」を想定した米国の戦略と完全に一致し、すでに米軍と自衛隊が想定した訓練を繰り返していると指摘。「有事が起きれば、軍人だけではなく、住民が犠牲になる」とし、「日本は、東南アジア諸国と協力し、米中間の緊張緩和に力を尽くすべきだ」と強調しました。
佐々木寛・新潟国際情報大学教授は「市民の側から『もうひとつの道』、包括的な外交戦略を示す必要がある」と提起。市民連合などが取り組んできた議論を紹介し、「平和をつくる外交政策」を市民の手でつくろうと呼びかけました。
日本共産党、立憲民主党、社民党、れいわ新選組の議員があいさつ。共産党の小池晃書記局長は法案の問題点を指摘し、「野党として外交の対案を示すような共闘を再構築し、大軍拡のたくらみを止めたい」と表明しました。