赤旗2023年4月6日付
超党派でつくる「自殺対策を推進する議員の会」(会長・武見敬三参院議員)は5日、首相官邸で岸田文雄首相と会談し、自殺の危機から「子どもの命を守る」ための緊急要望書を手渡しました。日本共産党の小池晃書記局長(議連副会長)が参加しました。
2022年の児童生徒の自殺者数は514人と過去最多となり、10代の死亡原因の1位となっています。
要望書では、▽こども家庭庁に、子どもの自殺対策を担当する「専任管理職」を配置する▽子どもの自殺に関する情報を集約し、多角的に分析するための体制を整備する▽すべての学校で児童生徒の自殺対策を推進するために予算を確保する―ことなど10項目を求めています。
会談でNPO法人「自殺対策支援センターライフリンク」の清水康之代表が報告。子どもの自殺は「実態解明も進まず、専任組織もなく、予算もない。大きな穴があき、年間500人以上の子どもたちが生きていけなくなっている」として早急な対策を求めました。
会談で小池氏は、超党派の議員立法で06年に成立した自殺対策基本法によって対策が強化され、おとなの自殺者数は15年間で1万人以上減っているとして「子どもの対策にも力を入れてほしい」と訴えました。
岸田首相は、要望を「重く受け止めたい」と発言。専任管理職の配置について「検討したい」、子どもの自殺対策に関わる文部科学省の予算がないことについて「問題を提起したい」とのべました。