赤旗2023年3月1日付
日本共産党の小池晃書記局長は27日、横浜市内で演説し、3月23日の告示まで1カ月を切った神奈川県知事選(4月9日投票)で岸牧子予定候補を勝利させ「暮らしに冷たい県政から、命と健康を守り豊富な財政力を県民のために使う県政に変えよう」と訴えました。参加者は岸予定候補と小池氏の訴えに盛んに拍手やかけ声を送り、県政転換への決意を固め合いました。
小池氏は、共産党以外の政党が「オール与党」で支えるもと、黒岩祐治・現知事は県立病院の独立行政法人化や保健所の統廃合、職員の大幅削減などを進め、人口10万人当たりの病床数、感染症病床数、保健師数は全国47位、看護師数や医師数も最下位クラスだと指摘。長く背を向けてきた小児医療費助成の拡充は、知事選を前に県民の世論と運動に押され、ようやく小学校6年生まで引き上げる方針を示したものの、中学校給食の実施率の低さなど「全国最低水準の教育・福祉は改善されていない」と強調し、「県の財政力指数は全国3位だ。この財政力を生かせば医療体制や医療費助成の拡充、学校給食の無償化は十分できる」と力を込めました。
国政に関わって、岸田政権の大軍拡は、全国第2の基地県の神奈川にとって重大問題だと指摘。全国の自衛隊基地司令部を核攻撃にも耐えるよう強靱(きょうじん)化する政府の計画を暴いた「しんぶん赤旗」日曜版の報道に触れ、県内では陸自の横浜駐屯地、海自の厚木航空基地などが該当するとし、「日本中が戦場になることを想定しており、基地司令部は守られても、住民の命は守れない」と強調しました。
小池氏は、黒岩知事が敵基地攻撃能力の保有を明記した安保3文書を「県民の安全安心の確保に寄与する」(2月17日、共産党県議団長への答弁)と手放しで称賛したと批判。「核兵器廃絶と米軍基地の縮小・撤去をめざす岸さんの勝利で、大軍拡ノーの審判を神奈川から下そう」と呼びかけました。
岸予定候補が力を入れる気候危機・環境問題をめぐっては、横須賀市で進む石炭火力発電所の建設に触れ、「県内の二酸化炭素排出量を1割も増やすもので、認めるわけにはいかない」と強調。「岸知事の誕生で、化石燃料や原発に頼らない、再生可能エネルギー100%の神奈川へ踏み出そう」と訴えました。
平和の準備こそ 岸知事予定候補訴え
横須賀市の石炭火力発電所建設と稼働の反対運動をしてきた岸予定候補は「黒岩祐治知事の気候危機対策はエコバッグなど自己責任ばかり。対策に本気なら、まず石炭火力発電所を止めるべきだ」と批判。「原発に頼らず、省エネも進め再エネ100%の神奈川を打ち出す」と述べました。
全国第2の基地県の神奈川で「未来にわたって命をおびやかされる状況でも米軍基地を容認してきた、現知事の責任は重い」として「憲法で保障された地方自治の力を十分に生かして政府と米国にはっきりとものを言い、県民の命と財産を守る平和の連帯と防波堤をつくる。この選挙は、戦争の準備をする知事か、平和の準備をする知事かが問われる選挙だ」と訴えました。
参加した70代の女性は「政策は、まさに私たちの願い。女性知事を誕生させたい」と話しました。