赤旗2022年12月11日付
臨時国会閉会 小池書記局長が会見
統一協会の被害者救済法が10日の参院本会議で自民、公明、立民、維新、国民の賛成多数で可決・成立しました。日本共産党は、被害の実態に照らし極めて不十分だとして反対し、実効性を明確にするための修正を提案。10日に会期が終わる臨時国会の会期を延長して充実した審議を行い、法案を実効あるものにするよう最後まで主張しましたが、会期延長されることなく閉会しました。
日本共産党の小池晃書記局長は同日、国会内で記者会見し、「被害者救済法は成立したが、これで終わりにできない」と述べ、(1)ただちに見直して、実効性ある救済制度をつくる(2)統一協会の解散命令を請求する(3)自民党と統一協会の癒着を解明し、うみを出し切る―ことなどを主張しました。
小池氏は、統一協会元2世信者の小川さゆりさん(仮名)が参院の参考人質疑で、体調を壊しながらも被害を訴えたのは「被害拡大の張本人である与党が本当に動いてくれると信じられなかったから」と語ったことを指摘。「被害者の痛切な訴えが、当初新しい法律は必要ないといっていた政府・与党を動かした結果だ。しかし、成立した法律は被害者救済にはあまりに不十分なものだ」と述べました。
小池氏は、被害者救済法では高額な寄付は規制できず多くの被害者は救済できないと指摘し、日本共産党が実効ある法律にするために修正案を提案したと紹介。共産党以外の反対で否決されたものの、参考人質疑で阿部克臣弁護士が「被害者救済にかなり役立つ」と述べたことをあげ「非常に残念だ」と述べました。
その上で小池氏は「法律は成立したものの、これで終わりにはできない」として3点を提起しました。
小池氏は、法律を見直して実効性のある救済法をつくることをあげ、「わが党が提出した修正案は見直しの土台になりうる」と強調。あわせて、統一協会に対する税金の免除などの優遇をやめるために解散命令を直ちに請求することを要求しました。さらに、自民党と統一協会の癒着が被害を拡大させた責任について、岸田文雄首相が全く認めなかったとして、「自民党と統一協会の深刻な癒着のうみを出し切らなければいけない」と指摘。1970年代以来統一協会=国際勝共連合とたたかってきた日本共産党として、「疑惑の全面解明、民主主義を守れ、被害者救済の願いにこたえて頑張っていきたい」と表明しました。