赤旗2022年11月23日付
日本共産党の小池晃書記局長は22日、国会内の記者会見で、安保3文書改定に関する政府の有識者会議の報告書について、「敵基地攻撃能力の保有など安全保障政策の大転換を図る方向が示された。経済、財政、科学技術、公共インフラなど全てを軍事のために活用させようとする中身だ」と指摘し、「まさに憲法9条を基本にしてきた戦後日本のあり方を根本から転換し、国政のあらゆる課題を軍事優先で進める『軍事国家』づくりだ」と厳しく批判しました。
小池氏は、岸田政権が5年以内の防衛力の抜本的強化をうたい、対GDP(国内総生産)比2%目標を掲げ軍事費倍増を狙うもと、報告書は増額する防衛費の財源について「幅広い税目による負担」の検討を政府に迫っていると指摘。「国民に増税や、社会保障など暮らしの予算削減を求めている。侵略戦争のために国民生活を破綻に追い込んだ歴史をくり返すことになる」と語りました。その上で「憲法に関わる重大な政策転換であるにもかかわらず、有識者会議メンバーには憲法学者は1人もいない。憲法との関係をまともに議論しないで安全保障政策の大転換を図ることも大問題だ」と重ねて批判しました。
小池氏は、岸田政権のもと防衛省の来年度予算の概算要求は過去最大となり、大軍拡の道を走り始めている一方、「国民の生活実態は大変深刻だ。格差と貧困が広がり、物価高騰が追い打ちをかけている。ここに年間5兆円もの大軍拡と大増税がかぶされば、国民の暮らしをさらに追い詰めて消費の減退、景気の後退を招くのは明らかだ」と強調しました。
小池氏は、日本共産党として「憲法違反の敵基地攻撃能力の保有や国民生活を壊す軍事費倍増の議論を直ちに中止することを求める。有識者会議の報告書に基づく大軍拡の具体化を許さない国民的運動を国会の中でも外でも広げていきたい」と表明しました。