赤旗2022年11月21日付
岸田文雄首相は20日、「政治とカネ」を巡る問題が次々に表面化した寺田稔総務相と首相公邸で会い、辞表を受理しました。事実上の更迭とみられます。わずか1カ月の間に山際大志郎前経済再生担当相、葉梨康弘前法相に続く3人目の閣僚辞任で、岸田首相の任命責任が厳しく問われます。
1カ月で3人
寺田氏は政治資金規正法や公職選挙法の所管大臣でありながら規正法上の虚偽記載や刑法上の文書偽造、公選法上の疑惑など次々に浮上。国会での野党の追及に対して説得力ある弁明ができず、メディアの世論調査でも辞任すべきが70%に上っていました(「毎日」)。
こうした中で与党からも辞任論が強まり、岸田首相は19日、訪問先のタイ・バンコクでの記者会見で、寺田氏の進退について「首相として判断したい」と発言。帰国後の20日には首相公邸で松野博一官房長官や木原誠二副長官らと断続的に協議を続けました。
岸田首相は寺田氏からの辞表受理後、公邸で会見し、寺田氏辞任について「深くおわびする。任命責任を重く受け止めている」と述べ、後任については検討中と語りました。
日本共産党の小池晃書記局長はメディアの取材に対し、「総務大臣の資格がないことはすでに明らかだったにもかかわらず、かばい続けた岸田首相の責任は重大だ。更迭の判断も遅すぎる。岸田首相は責任をとり退陣し、岸田内閣は総辞職すべきだ」と述べました。